2014年3月29日土曜日

「歌・こよみ365」のツボ

昔、毎日放送だったと思いますが、関西の深夜テレビ番組に「テレビのツボ」というのがありました。

「チャンネル君」と呼ばれる担当者が、1つのチャンネルを1日担当し、番組の中で「ツボ」を発表するというものです。

他局の、しかも放送当日ということで、当然映像は使えません。イラストレーターが想像で書いていたようです(録画はあったかもしれません)。

ちょっと気付かないようなネタ、細かすぎて具体的な内容はまったく覚えていませんが、たとえばワイドショーの司会者のネクタイの柄だとか、不自然なアドリブがあったので、これは誰かに対する秘密の合図に違いないとか、そういう話でした。

昭和天皇崩御のときは、臨時ニュースに切り替わる瞬間、各チャンネルはどんなシーンを放送していたかを発表していました。

そこで、「『歌・こよみ365』のツボ」です。

2014年1月22日に開催されたソロライブで、こっそり披露された秘密があります。

実は、『歌・こよみ365』の楽曲は、あとで作ったものの方が短くなっているんです。

実際に収録されているのは、制作順ではないそうです。初期のものでも短い曲はあるでしょうが、どの曲がいつ頃作られたのかを想像するのも面白いかもしれません。

2014年3月26日水曜日

数字で見る「歌・こよみ365」

「歌・こよみ365」は、「2月以降にお届け」ということで、2週間から3週間くらい遅れると予想していたんですが、発送は3月末頃だそうです。

「365曲」という前代未聞のCDセットですから、歌詞カードの校正だけでも大変な手間でしょう。予想以上に時間がかかるのは仕方ありません。

でもこのブログは、既にアルバム収録曲を全部紹介してしましました。ライブでのみ披露した曲とか、フォトブック「拝啓 路上ミュージシャンの宮崎奈穂子です」に収録されている曲とか、アルバム以外で公開された曲もいくつかあるのですが、詞書きがないので誰に対する曲か分かりません。

もっとも、個人に贈る曲については、もともとエピソード主について特に触れていませんし、分かっていることについてもプライバシーの問題があるので、深くは触れていません。完全版到着までさらに時間がかかるようなら、数曲ですが、エピソードなしで紹介していきたいと思います。

そして、今日はアルバム発表された51曲を数字で振り返ってみましょう。

まず、目立つのは個人女性に贈る歌が21曲と、実に4割を占めています。それに対して、個人男性はゼロです。

無理に探してみましょう。

結婚する2人に贈る歌が3曲なので、半分の1.5曲分が男性ということになります。

また、「」は「路上ライブで出会ってくださったすべての方たちに」ということで、4人のエピソードが出てきます。このうち2人が男性なので、1曲の半分、0.5曲としましょう。

合計で2曲になりましたが、いずれにしてもその差は圧倒的です。

企業や経営者に向けた曲は14曲、もっと多いと思ったのですが、個人女性よりも少ないようです。

イラストレーターやシンガーソングライターなど「アーティスト」も比較的多く、5曲ありました。ただしここには事務所の先輩が2人入っているので実質3人です。結婚式と同じくらいですね。

まだ全体の1/7なので、最終的にどういう数字が出るか分かりませんが、現時点ではこういう結果が出ました。

そもそも「歌・こよみ365」は「武道館の感謝を形にする」プロジェクトです。宮崎奈穂子さんの主なファン層は30代から40代の男性と思われますが、全く登場しません。強いて言えば「」に登場する「背広の男性」と、「夢に歌えば」に登場する「いい歌だね」という人だけです。

ただ、このことで「感謝していない」と短絡的にとらえるのは間違いでしょう。彼女のファンは、別に感謝して欲しいから、友だちになりたいから応援しているわけではなくて、良い歌を聞きたいから路上に足を運び、CDを買い、ライブハウスに行くのです。

だとしたら、もっと良い歌をたくさん届けてくれることが「感謝を形にする」という意味でしょう。

そして、主なファン層が聞きたい歌は、自分たちのことではなくて、宮崎奈穂子さん自身や、彼女の姿勢を投影した同年代の女性の話です。

だから、個々の曲についている「○○さんへ贈る歌」にとらわれず、365曲すべてがファンに対する贈り物だと考えるべきです。

Wikipediaの「宮崎奈穂子」の項目にあるディスコグラフィーを見ると、今まではアルバムが1年に1枚か2枚しか出ていません。しかも、何曲かは既発表曲のアレンジを変えたものが入っているので、実質的な新曲はかなり減ります。

それが、2014年には365曲、既発表曲を除いても300曲以上の新曲が出るわけで、今までのペースだと20年分くらいの価値があります。

「自分のことを歌ってくれない」と思うのではなくて、「20年分頑張ってくれた」ことを喜びたいと思います。

2014年3月25日火曜日

あなたの星

(ゆみこさんに贈る歌)

『歌・こよみ365』秋編のEXTRA Trackの曲です。

『歌・こよみ365』アルバムは、最後の曲が「夢に歌えば」です。

1枚目「早春編」は、10曲収録されていて、最後が「夢に歌えば」、その他は11曲収録されていて、最後が「夢に歌えば」、つまりオリジナル曲が10曲で構成されます。

ところが5枚目の「秋編」は、11曲目が「夢に歌えば」で、その後に今回紹介する曲が入っているという変則的な構成になっています。

また、通常レコーディングでは歌と演奏は別々に収録されますが、この曲は弾き語りだそうです。ブログにもこうありました。

そして一番最後の最後に、この6年間で初めて、
弾き語りでCDに収録させてもらった楽曲。。。

【「歌こよみ365】第5弾ニューアルバム「秋編」、WEBSHOPに登場しました^^」より

さらに、歌詞カードに収録されていません。

「秋編」の発売は、2013年11月23日、1年ぶりの単独ライブの日でした。どうしてもこの日に発売したいために、作業工程を省略したわけではないでしょう。レイアウト変更を考慮しても、そこまでぎりぎりの日程ではないはずです。

それに、CDジャケットの裏にはきちんと「あなたの星」とタイトルが印刷されています。

前置きが長くなりましたが、この曲は、親しい人が亡くなったことを歌っています。

伴奏やアレンジを他の人にお願いするよりも、自分だけですべてを担当することで追悼の意を表明したのではないかと思います。

多くの人の手をかけることで、完成度を高めて追悼するという方法もあるでしょうが、宮崎奈穂子さんは、すべてを自分の手で作って贈りたかったのでしょう。歌詞が印刷されていないのも、他人の手をかけたくないということかもしれません。

ただ、タイトルくらいは入っていないと本人にも伝わらないので、EXTRA Trackという形で収録し、ジャケットにタイトルと詞書きを付けたのだと想像します。

全部想像なので、真相は分かりませんけど。

2014年3月24日月曜日

RIE ~笑って~

(世界中に笑顔を広げるArtist Rieさんに贈る歌)

RIEさんは、ANA創立60周年記念特別塗装機(ボーイング767)のデザインコンテストに入賞した方です。

ANAのニュース

オンラインインタビュー

朝日新聞の記事から、リードを引用します(手元のコピーには、日付部分が切り取られていて、メモもしていないという失態)。

子供たちの笑顔のイラストが大空を飛んでいる。全日空の「ゆめジェット」。デザインしたのは、中野区在住のアーティストRIE(間弓莉絵)さん(30)だ。20代で挫折、逃げるように渡った東南アジアの島で、人の温かさに触れた。その思いをデザインに込めた。就航後初めての個展を、小金井市で12月1日から開く。

最後の文は「12月1日から小金井市で就航後初めての個展を開く」の方がいいような気がしますけど。

19歳の時に「飛行機の機体に絵を描く」と宣言したそうですが、機体デザインの公募は年中やっているわけではありません。

中断期間はあったようですが、なんでも思い続けてみるものです。

2014年3月23日日曜日

人生は冒険ゲーム

(小学生で企業ITコンサルタントの市村よしなりさんに贈る歌)

市村よしなりさんは、ITコンサルタントだそうで、著書に「人生で大切なことはみんなRPGから教わった」があります。

この曲の前奏がゲーム音楽風になっているのはそのためでしょう。

市村よしなりさんと宮崎奈穂子さんの対談が、オンラインセミナーになっています。

普通の女の子だった私が、武道館で6,000人のお客さんを集め、単独ライブができた理由とは?【無料オンラインセミナー】~路上から武道館へ~

市村さん、対談前にはきちんと宮崎奈穂子さんことを調べていただいたようです。人と会う前には、著作リストを眺め、何冊か読み、FacebookやTwitterの最近の書き込みには目を通すべきです。

当たり前のことですが、出来ていないことがたくさんいらっしゃいます。

その点、市村さんはきちんとした調べをしていらっしゃり、好感が持てます。

ただ、なかなかお忙しそうで、細部に勘違いがあったり、固有名詞を忘れたりしていました。対談のプロットを作っていれば、そこに取り上げる話題についてのメモを書けるのでしょうが、そこまでする時間がなかったのでしょう。

まだ公開中らしいので、興味のある方は受講登録をして視聴してみてください。

2014年3月22日土曜日

心のビタミン

(宏子さんに贈る歌)

「ビタミン(vitamin)」は、「バイタリティ(vitality)」と同じ語源で「命のアミノ酸」という意味だそうです。「バイタルサイン(vital sign)」と言えば、脈拍や呼吸など、生きていることを示す証拠です。

明るい曲ですが、例によって結構悩んでいるご様子です。

ここで宮崎奈穂子さんの言葉はいつも決まっていて「うまくいかないときは、自分が動け」です。

無駄な動きというのもありますが、自分ができることを考えて行動し、人と出会うことで道が開けるというのが、ほとんど偶然のようにデビューして以来の持論だそうです。

最後はこう結ばれます。

心のビタミン ほしいなら
待ってるだけじゃ 掴めない
動いて動いて がんばる人を
神様空から 見ていてくれる
だから動きだそう

人のキャリアは、ほとんどの場合偶然で決まると言いますが、ただ待っていれば何とかなるというわけではなく、今できることを一所懸命やった結果、思ったのと違う将来がやってくるということです。

2014年3月21日金曜日

言葉の力

(和菜さんに贈る歌)

人生に悩む女性の歌(たぶん女性だと思います)。

言葉の力は本当に大きくて、ひと言で傷ついたり元気が出たりするわけですが、同じ言葉でも誰に言われたか、どこでいつ聞いたかということが大きく影響します。

この曲の最後はこう結ばれます。

だからこんなとき 自ら言葉に会いに行くんだ
私が必要としている言葉はどこにある?
今の私から一歩前へ行くために

「出会い」は「出るから会える」と言うそうですが、自分から行動することで、新しい言葉に出会えたり、新しい解釈に出会えたりするのでしょう。

2014年3月20日木曜日

あなたと出会えたこの地球

(株式会社湘南貿易エコプロジェクトテーマソング)

一歩前へ」と同じ会社のための曲です。こちらのエントリもあわせてお読みください。

この曲は、リサイクルの啓蒙ソングのような感じになっています。

回収ペットボトルが、再生ペットボトルになるのは知ってましたが(他にフリースにもなるらしい)、ペットボトルの フタがボールペンになるのは知りませんでした。

もっとも、多くの場合、再生にかかるエネルギーは、新しく作るよりも多くかかるので、本当に再生が良いかどうかは分かりません。値段も再生品の方が高いことがありますし。

エコの基本は「3R」、Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再生)ですが、ReduceとReuseに比べてRecycleはコストがかかります。

なるべくReduceとReuseを心がけたいものです。

2014年3月19日水曜日

お腹の中の赤ちゃんへ

(Mさんの赤ちゃんに贈る歌)

ちょうど、この歌ができた頃、宮崎奈穂子さんのお姉さんに赤ちゃんが出来たそうです。この曲もお姉さんに贈る作品かと思ったら、違うそうです。

でも、作品を作っているときはお姉さんのことを参考にしたそうです。

この曲は赤ちゃんが生まれる前の話、生まれたあとの話が「生まれてくれてありがとう」、そして結婚式の歌が数曲、節目の歌が増えていきます。

ちなみに、私が生まれたときは「こんにちは赤ちゃん」が流行っていたそうです。この曲も、それくらい定番になればいいですね。

2014年3月18日火曜日

そんなあなたの存在が

(高橋美佐子さんに贈る歌)

「Real Intention」の「手紙」と似た感じの曲です。

ライブ仲間が聞いた話では、

プレゼントされて一番嬉しいのは手紙

だそうです。理由は

心がこもっていて、そして(物理的に)軽い

ということです。

路上ライブ中に、あんまり重いものやかさばるものをもらっても困りますからね。

目標達成のお祝いとか、お花はときどきありますが、それでも小さいものにしているようです。

最近では、FacebookやTwitterのメッセージという手もありますね。もっとも、タレントや歌手のFacebook/Twitterアカウントは、事務所の人も見ているのがふつうですけど、宮崎奈穂子さんはどうなんでしょう。

事務所によっては、手紙も見ているみたいです。宮崎奈穂子さんがどういう風にしているかは聞いたことありません。

2014年3月17日月曜日

まほろ横町

(まほろの皆様に贈る歌)

「まほろ」というと、なんとなく北海道の地名みたいですが東京都町田市です(ちなみに「ホロ」はアイヌの言葉で「大きい」という意味)。そして、地理的位置関係から神奈川県だと思う人が多いようですが、東京都です。

宮崎奈穂子さんが主題歌を担当した短編アニメ『嫌われ者のラス』のスタッフが町田・デザイン専門学校の出身であること、以前は「ネクストスタンダード」と題して、同校で頻繁にイベントを開催されていたことから、町田ゆかりの歌を作ったのだと思われます。

2013年2月16日には町田・デザイン専門学校で開催された「産学ネットワーク展」(卒業展という位置付けのようです)にゲストとして出演されています。

ご本人のブログ
明日は10:30から町田・デザイン専門学校にて!遊びにいらしてくださいー★

私個人の話で恐縮ですが、このときの「産学ネットワーク展」で、偶然見つけたのが「わたなべなな」さんで、強烈な個性を出す絵が強く印象に残っています。

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▲わたなべななさん(左)の展示、部屋になっている(同行した友人はひと目見て逃げました)

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▲こんな感じで細部にも凝っている

●まほろ横町に行ってきた

小説『まほろ駅前多田便利軒』(三浦しをん)に登場する架空の地名「まほろ市」が、町田市をモデルにしているそうです。そこから「まほろ市」を舞台にした映画やテレビドラマが生まれたようですね。

残念ながら、私は映画もドラマもさっぱり記憶にありません。「なんでもいいから、とりあえず現地に行け」と、友人のジャーナリストも言っているので、行ってきました。

検索してみると、町田駅北口の通りを「まほろ横町」と名付けたそうです。とりあえず北口に出てみましたが案内板は何もありません。さらに検索すると「ぽっぽ町田」という施設の近くに映画のロケ地があるそうなので、東口からそちらへ向かいます。

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▲ぽっぽ町田

中に入ると観光案内所がありました。

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▲町田観光案内所

「まほろ横町ってなんですか?」と尋ねたら「商工会議所が、新しい通り名を提唱しているようです、平日に商工会議所に聞いてください」との答え。場所くらい教えてくれるのかと、一瞬待ったのですが返事はありません。観光案内所がきっぱりと「(うちではなく)商工会議所に聞いてください」と言うのだから、教えたくないのかもしれません。

ぽっぽ町田からすぐのところが、映画のロケ地で、ポスターにもなったところだそうです。

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▲なんかのロケ地らしい

北口に回って、「横町」にふさわしそうな通りに入ってみると、ありました。

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▲これが通りの入口

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▲居酒屋さんの張り紙も雰囲気が出ています。

●「まほろ横町」の歌詞

歌詞にはこんな言葉が並びます。なお、町田滞在時間は30分くらいなので、見落としているか旺盛はおおいにあります。

  • 新聞配達の音…きっと新聞配達はあるでしょう
  • 焼きたてパンの匂い…パン屋さんは見つけられませんでした
  • 八百屋のおじさん…八百屋も見当たりませんでした
  • バスを待ちながら…まほろ横町は道幅が狭く、バスは通っていません
  • 小学生…たぶんいるでしょう
  • 改札の前で誰かの帰りを持ってるお母さん...改札の写真は撮りにくいので北口付近
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    ▲町田駅北口
  • カフェの店員さん...「Cafe & Dining」の看板がありました。ビル壁面のコピーは『狙っているあの子に「センスありますね」と思われたい男子の店』の看板(2階の喫茶店のようです)。いいコピーだと思いますが、こんなに大きく書いてあったら、連れてきた女の子にばれてしまいます。
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    ▲学習塾じゃなく、カフェを見つけてください

「まほろ横町」、商店街と住宅街が一緒になっていて、ちょっと懐かしい感じの街でした。

2014年3月16日日曜日

一歩前へ

(マラソンを走るすべての人と株式会社湘南貿易橋本社長に贈る歌)

サブタイトルから想像できるように、マラソンンランナーの曲です。もっとも、マラソンをモチーフにしていますが、先駆者やリーダー全般についての内容になっているので、誰でも共感できるでしょう。

湘南国際マラソン」というイベントがあります。株式会社湘南貿易は、産業機械の輸入代理店がもともとの事業のようですが、「エコロジー事業部」が湘南国際マラソンと関係が深いことから、この曲が生まれたと思われます。

また、同事業部のWebページではこの曲「一歩前へ」のMP3ファイルが公開されていおり、誰でも聞けるようになっています。

株式会社湘南貿易は、もう1曲「あなたと出会えたこの地球」という歌もあるのですが、それはまたの機会に。

なお、2013年11月3日に開催された第8回湘南国際マラソンでは、併設イベントに宮崎奈穂子さんが登場し、以下の6曲を収めたCDが発売されました。ミニアルバムと言っていいですね。ちなみに「歌・こよみ231/365」とありましたので、231曲目のようです。

  1. 一歩前へ
  2. あなたと出会えたこの地球
  3. わかってるんだけど
  4. 家族のように
  5. 路上から武道館へ

最初の2曲が新曲で、次の2曲が「歌・こよみ365」の既発表曲、「路上から武道館へ」のみ「歌・こよみ365」外ですが、前に書いたとおり、「歌・こよみ365」のテーマ曲「夢に歌えば」とは双子のような歌なので、「歌・こよみ365」の一部と考えてもいいでしょう。そもそも「歌・こよみ365」自体が、武道館コンサートの感謝を形にしたものです。

私はマラソンンはしないのですが、知人がちょうど湘南国際マラソンに参加していました。Facebookで知った私は「そこに宮崎奈穂子さんという人が歌っているからCD買ってきてくれ」とお願いしました。友人は「フルマラソンを終えてへろへろなのに、そんなお願いするんですか」と言っていましたが「いいから買ってきて」とひどいことを書いたら、本当に買ってきてくれました。いい人です。

実はこの友人、IT業界ではそれなりに有名人です。彼をパシリに使えるのはIT業界では私くらいかもしれません。本当にありがとうございました。

なお、CDには

Special Thanks to...
協栄産業株式会社取締役 古澤栄一様

とありました。こちらもリサイクルの会社のようです。

当日の様子を書いた宮崎奈穂子さんのブログ記事が「11/3(日)湘南国際マラソンにて、マラソンの歌「一歩前へ」などを歌わせて頂いてきました!」です。

2014年3月15日土曜日

ななつの星に願いを込めて

(北海道米応援の歌)

北海道の農協から依頼された、北海道米の歌です。

依頼主「米米北海道のブログ」は、勤務先を説得して楽曲を発注されたそうです。
以前に別のところで書いた記事「北海道で米を作ることと、路上から武道館へ行くこと」と「デジタルカメラの技術と農産物の品質管理」を転載します。


北海道で米を作ることと、路上から武道館へ行くこと

どの国の言語でも、文化的に重要なものや身近なものには、少しの違いを区別するための言葉がいくつもできると言われています。

たとえば、英語では雄牛と雌牛、去勢牛を区別しますし、カナダエスキモーには雪を意味する単語がいくつもあるそうです。

そう考えると、日本人に取って「米」は特別なものであることがよく分かります。植物としての名前は「稲」、収穫したら「米」、調理したら「飯」と、全部違う言葉だからです。
しかも「米を炊いたもの」と「食事一般」が同じ「飯(めし)」あるいは「ご飯」と呼ばれます。米だけが食事ではないでしょうに、驚くべき大ざっぱさです。

そういうわけで「調理した米」を指すときは「米の飯」という、「頭が頭痛で痛い」的なまどろっこしい言い方をしなければいけません。

北海道は、明治初期まで米がとれませんでした。旧北海道は「松前藩」と呼ばれましたが、石高は便宜的なものであって、米ではなかったという話です。

明治以降、品種改良が進み、北海道は質・量ともに全国有数の米産地となりましたが、まだまだ知られていません。私も最近まで知りませんでした。

●ななつの星に願いを込めて~北海道米応援の歌~

そこで、北海道米販売拡大委員会では、北海道米のイメージソングを作ってもらい、PRにつとめることになったようです。歌うのは、作詞・作曲も担当した宮崎奈穂子さん。

2曲あるのですが、主テーマ「ななつの星に願いを込めて~北海道米応援の歌~」がwebサイトで聞けます(いきなり曲が流れるので注意してください)。

北海道米「ななつぼし」「ゆめぴりか」にかけた歌詞が並びます。

北海道で米作りをしている人の決意と努力がふんわり歌われていて、ななかないい曲なんですが、ちょっと気になったのが「北海道米なんて、と言われた日もあった」という歌い出し。

ふつう、企業や団体をテーマにした曲ではこういうネガティブな言葉は使いませんが、いきなりネガティブです。

確かに、私の年代では北海道米というのは美味しいイメージがありません(今は魚沼産コシヒカリに匹敵するくらい美味しくなっているそうです)。

そもそも、北海道で米を作らなくてもいいだろうという意見もあったと思います。北海道と言えば、酪農やジャガイモのイメージですよね。

でも、最初に紹介したとおり、日本人にとって米は特別な作物です。どうしても米を作り、自給し、出荷したいと思ったのでしょう。

もともと米作りに適しているとは言えない気候の土地で、おそらくは多くの人に「米は無理だ」「わざわざ米を作らなくてもいいではないか」と言われたのではないかと想像します。そして、他府県はもちろん、きっと地元の方からも言われたのではないでしょうか。

歌を担当した宮崎奈穂子さんは、昨年11月2日に武道館単独コンサートを実現しました。路上ライブから、せいぜい数百人の箱を経験しただけで、いきなり公称席数1万5,000の武道館です。彼女の著書や講演によると「集客なんてできっこない」「武道館でやる意味があるのか」「やるとしても段階を踏むべきだろう」と言う人もたくさんいたそうです。

それでも、子供の頃からの夢だった武道館というのは、彼女にとって特別な意味を持っているのでしょう。最終的に6,000人を集めてコンサートを成功させます。

北海道米の曲を聴きながら、そんなことを思いました。

宮崎奈穂子さんは、「武道館の感謝の気持ちを形にするため、1年で365曲、あなたの歌を作ります」という試み「歌・こよみ365曲」に挑戦中で、この曲もその一環です。

「歌・こよみ」には個人の曲も企業の曲もありますが、だいたいにおいて個人の曲の方が盛り上がります。企業だとどうしてもドラマ性が薄まるので、それは仕方ないと思います。そのかわり、安心して聞ける曲になるので別に悪いことでもありません。逆に、個人の曲だと緊張が高まりすぎて疲れることもあります。

北海道米の歌は、企業(団体)対象にしてはドラマ性の高い曲になったのは、冒頭のネガティブな言葉があるからでしょう。

北海道米の歌は、シングルCDとして発売されています。ほとんどは北海道内で配布されるそうですが、先日の「Birthday Eve闇市」で売っていたので購入しました。

シングルには3曲入ってますが、3曲目は「夢を歌えば」で、これは「歌・こよみ365曲」のテーマ曲ですから実質2曲です。そして、この2曲目がさらに衝撃的でした。

●日本一の米所を目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido

2曲目の「日本一の米所を目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido」はWebサイトでは見当たらないので、今回初めて聞きました。

まず、出だしからすごい。「北海道米なんて」程度じゃ済みません。

「やっかいどう米」と言われた時代があった
「鳥またぎ米」とばかにされたりもしたけれど

「ほっかいどう」じゃなく「やっかいどう」ですよ。鳥も食わずにまたいでいく「鳥またぎ」ですよ。こんな言葉、生産者に対して言えますか。でも言われたのでしょうね。

北海道の多くの米ブランドとともに、専門用語も登場します。たとえば「タンパク仕分け」。米は、タンパク質含有量が少ない方が米の食味が良いそうです(さっき調べた)。低タンパクな米を選別するのが「タンパク仕分け」のようです。

仕分けされた米はどうなるのでしょう。価格が下がるか、加工に回されるか、廃棄ってことはないと思いますが、自分の作った米が二級品になってしまうのはつらいことでしょう。
歌には「7.4はきっと今年も厳しいけど」という数字も登場しますが、これはタンパク仕分けのしきい値のようです(さっき調べた)。1年かけて育てた米が、7.4という数字で選別されるわけです。

それにしても、よくこんな生々しい歌ができたなあ、と思います。

楽曲としては1曲目の方がスマートですが、生産者には2曲目の方が心に響くかもしれません。ちょうど「夢に歌えば」と「路上から武道館へ」のような関係でしょうか。

2つの曲は同じシーンを歌っていますが、ずいぶんと印象が変わります。

▲「路上から武道館へ」

▲「夢に歌えば」

それにしても。現在でも、北海道で米作りをすることは大変なことではないかと思います。まして、先人の苦労は並大抵のことではなかったと思いますが、農協のWebサイトにはそうした苦労話が一切登場しないのがかっこいいですね。

これから北海道米を食べようと思いました。

【追記】
続編の記事を書きました「
デジタルカメラの技術と農産物の品質管理

【12/23追記】 私、「日本一の米所を目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido」が農協の方の作詞だということにあとで気付きました(本ブログに作詞者の方からコメントをいただいています)。

1曲目も「やっかいどう米」という言葉を入れようとしたのですが、言葉が悪すぎると「北海道米なんて」に落ち着いたそうです。


デジタルカメラの技術と農産物の品質管理

デジカメの普及で、写真のうまい人が増えました。フィルム時代は撮影→現像→評価のサイクルが長く、評価してもらった頃は撮影時の感覚を忘れてました。今は撮影と同時に自分で確認できますし、各種SNSで瞬時に評価をもらえます。

それに比べて農産物は、多くの場合、年に1回しか評価されず、結果を活かすのは翌年です。それでも品種改良を継続的に続ける努力は尊敬に値します。

さて、北海道米の話の続きです(元の記事は「北海道で米を作ることと、路上から武道館へ行くこと」)。

私の父の実家は滋賀県の米農家で、親戚にも多くの農家がいます。作付けしているのは主に「日本晴」です。

一般に流通している米では分からないと思いますが、米は生産者が違うと違う味になります(米に限らず農産物はだいたいそうです)。父の実家と、叔父の家では味が違います。隣の田んぼでも違うので、土壌の影響は最小限のはずです。

農協は、複数の生産者の米を混ぜることで一定の品質を確保しているのだと想像しますが、それでも極端に外れた品質の米があると困るでしょう。

「北海道米」というブランドを確立するために、米の品質を安定させたい。そういう思いが、宮崎奈穂子さんの歌「日本一の米所を目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido」から伝わってきます。

農家の方は皆さんこだわりがあり、結構大変だったんじゃないかと思います。数分の曲ですが、いろいろ考えることがありました。

2014年3月14日金曜日

大人ダカラ

(佐百合さんに贈る歌)

このアルバムのタイトル「Real Intention」は「本音」という意味だそうですが、そのアルバムの最後にふさわしい曲です。

今までのパターンだと、最後は仕事でお世話になった人の歌が来ます。そうすると、山岸伸さんの曲が最後でもおかしくないのですが、最後がこの曲になりました。

名前を見る限り、スポンサーでも仕事でお世話になったわけでもないようなので、よほど大事な人なのでしょう。

「大人だから、何でもできるし、悲哀怒の感情はあまり表に出さないけど、本当は違う」

という曲です。Real Intentionにふさわしい曲です。

2014年3月13日木曜日

この瞬間を

(写真家・山岸伸さんに贈る歌)

グラビア写真などで有名な山岸伸さんに贈る歌です。一度、個展にお伺いしたら、BGMにこの曲『この瞬間を』が流れていました。

宮崎奈穂子さんの武道館や路上ライブの写真を撮っていただいたのが縁だと思います。フォトブック『拝啓 路上ミュージシャンの宮崎奈穂子です』の写真の一部も、山岸先生の作品だそうです(大半はお弟子さんの作品です)。

また、同じ事務所の人も何人か撮影していただいているようです。写真集になるのでしょうか。

山岸先生ご本人とは、新宿で路上ライブを撮影している所に遭遇したのですが、その時の写真はありません。

その代わり、フォトブックの表紙と同じコートの写真です。水銀灯の灯りで、色がうまく出ていないのはご勘弁ください。

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2014年3月12日水曜日

手紙

(名古屋の路上ライブで手紙を下さった女性の方に贈る歌)

名古屋での路上ライブに来たファンからの手紙を、東京に向かう新幹線で読んでいるという話です。

実際の手紙の内容とほとんど同じなのじゃないかと想像します。

エピソード主の女性、東京で何度かお会いしている方だと思います。名前も分かるのですが、CDのクレジットに名前が入っていないので確実ではありません。また、クレジットされていないということは、名前を出したくないのだろうと思うので、具体的には書きません。

熱心なファンの方なんですが、PCもスマートホンもお持ちじゃないので、情報を入手するのに苦労されていたようです。最近、スマートホンを入手されたと聞きました。

曲中「あなたの母のような優しさが」というフレーズがあります。やはり、我々男性ファンとはちょっと違った視点で応援されているのだと思います。

ちなみに、ここまで40曲近く紹介していますが、そして手元にはあと10曲ほどありますが、純粋な男性ファンへ贈る歌がありません。せいぜいスポンサーか、仕事上の付き合いのある人だけです。

スポンサーに付いた方は、武道館のために我々とは桁違いの貢献をされたようです。もともと「歌・こよみ365」は「武道館の感謝を形にする」ということですから、仕方ありません。

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▲名古屋で歌う宮崎奈穂子さん(2011年12月7日)

2014年3月11日火曜日

がんばらない日

(由美子さんに贈る歌)

いつも頑張っているのだから、たまには休んだら、という歌。

頑張りすぎて、メンタル面で調子を崩す話はよく聞きます。たまには休んだら、と言ってくれる人がいるのはいいことです。

ただ、休んだあとの責任を取れない人が安易に「休んだら」と言うのは無責任な気がします。

エピソード主の由美子さんがどういう状況か分からないんですが、宮崎奈穂子さんが体調を崩したときなんか「たまには休んだら」といったTweetやらFacebookのコメントが続きます。

ファンの気持ちは分かるのですが(私もそんなときは休めばいいと思います)、たとえばここでレコーディングしないとスタジオ代が数十万円かかるとか、今日CDを売らないと明日の食事ができないとか、そういう事情があるかもしれません(たとえば、の話です。そんな「マッチ売りの少女」みたいな生活ではないと思いますが)。

上司が「たまには休んだら」と言うときは、暗黙のうちに「仕事はこちらで引き受けるから」という意味を含みます。もっとも、世の中には「体調の悪いときは遠慮せずに休め」といいながら、仕事量を減らさず、さらに「自己管理が出来ていない」と非難する上司も多いんですが。

2014年3月10日月曜日

かげぼうし

(ちひろさんに贈る歌)

先の「まあるい気持ち」に続いて、抽象的なお話です。第三者にはあまり分からないんですが、当事者にはストレートに伝わるのでしょうね。

筒井康隆の小説『家族八景』に、抽象画家のエピソードがあります。テレパスである火田七瀬が、画家の心を覗いてみると、抽象的と思われたシンボルが、実は具体的な人を示しているというお話でした。

では、その抽象画が他の人にとって意味がないかというと、そういうわけではなく、誰もが自分の中の何かに置き換えて解釈することで、芸術として成立するのでしょう。抽象画のことを英語で「abstract」と呼びますが、これは「要約」という意味でもあります。自分の考えていることを抽出して目に見える形(象)にすることが「抽象」なのでしょう。

内容も、「まあるい気持ち」と同様、何かに思い悩んでいるようです。ときどき、何か大きな不安がやってくる、という経験は、特に若い頃は誰にでもあるのではないかと思います。

そして、この曲の最後はこう結ばれます。

これは不安で、幸せなんだ ここにいていいよ、って受け入れて
手をつなごう

宮崎奈穂子さん、あるいはエピソード主がどう思っているのかは分かりませんが、私は「不安に思うというのは、自分が一所懸命生きているということ」だと解釈しました。

最後の「手をつなごう」は、どんな不安があっても仲間がいれば乗り切れるというメッセージではないでしょうか。

メロディは、宮崎奈穂子さんらしい感じに仕上がってます。文章で伝えるのは難しいのですが、たとえば最初の1フレーズはこんな感じです。

寂しいわけじゃないんだけど 心がぽっかり
いつだって前を向いていたいのに (*)ずっしり

2つのフレーズは、ほぼ同じリズムで「寂しいわけじゃないんだけど」と「いつだって前を向いていたいのに」が対応します。そして次の「心がぽっかり」と「ずっしり」を対応させるため、(*)の部分「心が」に相当する文字が入るべき所に休符が入ります。

このパターンは、宮崎奈穂子さんの曲にしばしば見られます。もし宮崎奈穂子検定があれば、きっと試験に出ます。

前に、K-POP歌手の「Kさん」という方のラジオ番組「K-Style」に出演したとき、Kさんから「子供の時からピアノをやってて、たくさんの曲をピアノで作っていると、手の癖みたいなものが出て、似たパターンになってきませんか?」と聞かれていました。「まさしくその通りだ」と答える宮崎奈穂子さんに対して「だから、ぼくは(ピアノの手の癖が出ないように)最初はピアノに向かわないんですよ」とアドバイスをしていました。

その時のブログ記事が「「K-style」ありがとうございましたっ!!」ですが、作曲のエピソードについては書かれていませんでした。

ちなみに、このKさん、ゲストのことを本当によく勉強されていました。質問も的確で、今まで見聞きしたテレビやラジオの中で、一番よく出来ていたインタビューだと思います。放送後、しばらくオンデマンド配信されていたのですが、もうありません。リンクが切れているだけかもしれませんが、取り下げたURLを公開するのもマナー違反な気がするのでやめておきます。

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▲癖なのか、意図的なのか、御礼のお辞儀は合掌

2014年3月9日日曜日

まあるい気持ち

(萌美さんに贈る歌)

「歌・こよみ365」は特にそうなんですが、宮崎奈穂子さんの歌詞は割に散文的なものがたくさんあります。特に、武道館コンサート以降にその傾向が強いように思います。

そこがストレートに心を打つわけですが、表現が強すぎてあまり好きではないという人もいます。

この曲は、寂しい気持ちを歌いつつ、でも、あまり具体的にならない、絶妙な歌詞になっています。

それにしても、こういう歌詞が、何か具体的なエピソードから出てきたということに驚きます。たぶん、これはもうエピソード主の萌美と宮崎奈穂子さんにしか分からない内容なんじゃないかと思います。

断片的にはなんとなく分かる部分もあります。ちょっと引用してみましょう(各行は連続している歌詞ではありません)。

なんだか いろいろ うまくは いかない

誰かに 会いたい 誰にも 言えない

電話を かけたい 勇気が 出せない

よく分からないんですが、最後は落ち着いたようです。

まんまる 満月 見てたら なんだか
私も まあるい 気持ちに なれそう

良かったですね。

曲の方は、ちょっと変わったエンディングで、メロディが最後でふっと消えます。
ちょうど村上春樹の小説みたいです(って通じるかどうか分かりませんが)。

ついでに、歌詞も切ってしまって「まあるい 気持ちに」でメロディと一緒に切ってしまっても前衛的で良かったかなと思います。

『路上から武道館へ』に代表される、ストレートな表現ではありませんが、今までにない、なかなか面白い曲で、静かに心に残る曲です。

2014年3月8日土曜日

お母さん

(多賀子さんに贈る歌)

タイトル通り、お母さんの歌です。

兄弟姉妹のいる人だったら、共感するんじゃないでしょうか。

ほんとに、小さい頃は何であんなに喧嘩をしたのかと思います。うちは3人きょうだいで、妹2人が双子で、しかも私と年子という恐ろしい環境でした。

一時は、食卓に座っていられなくて、立って食事したくらいだそうです。

両親のありがたさというのは、成人してからでないと分からないと思いますが、その後、親孝行に至るまでに、さらに時間がかかります。

思いついたら、恥ずかしがらずに、ぜひ言葉に出して、行動に示してあげてください。

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▲何にそんなに驚いているのでしょうか(笑)

2014年3月7日金曜日

この手で描いた線

(銅版画家・小松美羽さんに贈る歌)

まずは宮崎奈穂子さんのブログ
【歌・こよみ365第4弾アルバム】小松美羽さんに贈った「この手で描いた線」歌詞公開*
をご覧ください。

銅版画家・小松美羽さんとは長野のイベントでお会いしたそうです。

「歌・こよみ365」の曲は、依頼者やエピソード主のことは意外に描かれていないのですが、珍しく詳しく書いてありました。

ですので、ここで書くことはもうありません。

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2014年3月6日木曜日

見上げた空

寛子さんに贈る歌

「生きる力Part 2」の次に収録されています。歌詞に「生きる力」という言葉が登場するなど、影響が見られます。そういえば、ゆとり教育に代わる学習指導要綱のキャッチフレーズが「生きる力」です。

ゆとり教育は、ある学習塾が行なった「ゆとり教育ではこんなことも習わないから塾へ行かそう」というキャンペーンが功を奏し「円周率は3」とか(正確には「概算の場合は3でも良い」)、「台形の面積を求める公式を教えない」とか(台形を敷き詰めると平行四辺形になることと、平行四辺形の面積を求める公式は扱うため、台形の面積は簡単に計算できる)、間違ったプロパガンダが先行して不憫な話です。

この曲には「スマホの中に答えはない」「検索しても教えてくれない」という言葉が出てきますが、実は皆さん、それほど検索をしてはいないようです。検索すれば「ゆとり教育で円周率は3と教える」のはウソだとすぐに分かるのですが、検索した人はほとんどいませんよね。

検索はともかく、最も印象的なフレーズがこれです。

だけど今を幸せか不幸せか 決めるのは自分

宮崎奈穂子さんの曲には、自分らしさを求め、悩む姿がよく出てきますが、自分らしいかどうかは自分で決めればいいのではないでしょうか。

2014年3月5日水曜日

生きる力Part 2

(「生きる力」プロジェクトに贈る歌)

日産GT-Rの開発責任者だった水野和敏さんに贈った歌『生きる力』は既に紹介しました。今回紹介する曲は、タイト通り『生きる力』の姉妹編です。

サブタイトルをよく見ると、前作が「日産GT-Rプロジェクトチームに贈る歌」となっているのに対して、今回は「『生きる力』プロジェクトに贈る歌」です。

「生きる力」プロジェクトは、水野さんが日産を退職後に立ち上げられたプロジェクトです。詳細は、水野さんの公式ホームページ「水野和敏  [公式HP]」をご覧ください。
宮崎奈穂子さんは、「生きる力」プロジェクトの講演会に何度かゲストで呼ばれているようです。

本作は、『歌・こよみ365』4枚目のアルバム『Real intention』の1曲目です。それだけ力が入った曲なのでしょう。ちなみに「real intention」は「本音」という意味だそうです。

前作『生きる力』に比べると、少しおとなしめの曲になっています。どちらかというと、こっちの方が宮崎奈穂子さんらしい曲ですね。

2014年3月4日火曜日

涙の水たまり

(路上ライブで出会ってくださった恵さんに贈る歌)

直前の曲『大丈夫だよ』と似たテイストの歌です。

悩んでいる人(これが恵さんでしょう)に対して、相談に乗っているような歌詞です。

女性にもときどきありますが、特に男性にありがちなのは、悩み相談で解決策を言ってしまうこと。これは絶対駄目だと、専門家はみんな言いますが、ついやってしまいます。

評論家の岡田斗司夫さんは(男性ですが)、朝日新聞土曜版の名物コラム「悩みのるつぼ」の回答者の一人です。彼は、著書『オタクの息子に悩んでます』でこんなことを書いています。

悩みに答えようとしては駄目
まず、何に悩んでいるかをはっきりさせること
そうすれば答えは自動的に導かれる

また、こうも書いています。

どんなに言いたいことがあっても、徹底的に相談者の見方になること。

『涙の水たまり』は、悩んでいる人のアドバイスという形を取っていますが、実際には具体的なアドバイスは何もなく、ただ共感と励ましがあるだけです。

象徴的なのが、各節の最後のフレーズ

涙の水たまり
今日は一緒に 流しましょう

なかなかいい歌詞です。

2014年3月3日月曜日

大丈夫だよ

(お手紙を送ってくださった英子さんに贈る歌)

アルバム『歌・こよみ35~Women』で、ほっこりした歌が2曲続いて、再び緊張感のある歌に。

自分が思う自分のあるべき姿と、自分が思う実際の自分とのギャップの話でしょうか。

いろんな人が指摘しているように、最近は「自分らしく」というプレッシャーが大きいように思います。でも、相変わらず学校や社会では、自分の思うように行動すると批判されることがしばしばあり、皆さんお悩みのようです。

「若者よ、自分探すな職探せ」

という言葉がありますが、自分探しをするより、とにかく日々の仕事をしたらいいんじゃないでしょうか。宮崎奈穂子さんも『5分だけ泣いて帰ろう』という曲(『歌・こよみ365』ではありません)で「こんな胸の痛みくらい、仕事をすれば忘れる」と書いてます。ま、これはちょっと意味が違うんですが、あんまり悩まずに毎日できることをするのがいいかと思います。

修行中の禅僧だって、普段の生活の中から悟りを開くわけですから。もっとも、裏返せば生活のすべてが修行の場なわけで、それこそ娑婆に人間には分からないことなんですが。

この曲で、一番印象に残った言葉はこれです。

「人は一番言いたいことをいつも一番言えない」

ジャーナリストの友人も、「大事なことを最初に聞いてはいけない」と言っています。性急に聞いてしまうと、隠すつもりはなくても、本当のことを言ってもらえないからだそうです。

さて、この曲のエピソード主もよく分かりません。どうも特別な人ではないようです。便宜上「ふつうの人」というタグを付けたのですが、どうも大半が「ふつうの人」になりそうなので、あとで考えます。

そういえば宮崎奈穂子さんは、自分のことを「ふつうの女性」と言います。それを聞いて「いや、これだけ毎日路上に立って歌うのは普通じゃないでしょう」「いえいえ、ほんとに普通ですから」「いやいやいや、普通じゃないです」「いえいえいえい」と、普通合戦になってしまいます。そこまで言うなら、もう面倒だから宮崎奈穂子さんは普通ってことにしておきます。

2014年3月2日日曜日

幸せメイカー

イベント会場で出会ってくださった裕子さんに贈る歌

これも、前の曲「あなたはまるでマイナスイオン」と同様、ほんわかした曲です。

ところで「セロトニン」は、「幸せメイカー」と言われているそうで、この曲のタイトルや歌詞もそこに由来します。

うつ病患者に対して、一時的にセロトニンレベルを低下させると抑うつ気分が生じるものの、健常者に対してセロトニンレベルを下げても気分の変化は生じないそうです。

また、セロトニン濃度が異常に高いと、頭痛、めまい、嘔吐、昏睡、場合によっては死に至るそうです。

どうやら、抑うつとセロトニンは何らかの関係があることは分かっているものの、セロトニンが少ないから「抑うつ」、という単純なものではないようですし、多いから元気になるものでもないようです。

さて、ここまで書いて申し訳ないんですが、この曲は、そういう医学的な見地から離れて、素直に楽しんだ方がいいと思います。

結びの言葉は「今日も素敵な1日を」ですし。

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▲東京タワー展望台内のステージで行なわれたフリーライブより

2014年3月1日土曜日

あなたはまるでマイナスイオン

(路上ライブで出会ってくださった真理菜さんに贈る歌)

歌・こよみ365~Women」で、緊張する曲が続いたあとの柔らかい歌です。

科学的には、「マイナスイオン」というのは効果どころか、その存在すら疑問視されています。そもそも、人によってマイナスイオンの定義が違うみたいで、科学以前の問題です。

家電製品に「マイナスイオン」をうたったものがありますが、その効用や意味ははっきり書かれていません。利用者が勝手に行間を読んで想像してしまうだけです。

「こんな製品が世の中に出て、エンジニアは恥ずかしくないのか」と怒っている人もいるくらいなので、マイナスイオンに効果を求めないようにしましょう。

マイナスイオンの真偽はともかく(まあ、基本的に偽なんですが)、曲はふんわかしたいい感じです。このアルバムを聞くと、元気な1曲目(まっすぐ行こう)と2曲目(ネガティブ? ポジティブ?)、しんみりする3曲目(手)、仕事に疲れた4曲目(最寄り駅から駅までの距離)と5曲目(それでも私は前を向く)、と、特に3曲目から5曲目は緊張が高まるので、6曲目でほっとします(次の7曲目もほっとする曲です)。

全体の流れを考えると、とてもいい曲だと思います。