2014年11月30日日曜日

イメージ(236/365)

夢が大きいほど不安になるけど、なりたい自分をイメージして、欲張ってもいいはずだという歌です。

宮崎奈穂子さんには「イメージの詩」という曲があります。作詞作曲は立石賢司さんで、宮崎奈穂子さんではないのですが、宮崎奈穂子さんが歌っておかしくない曲に仕上がっています。実際、武道館でも歌ったくらいですから、自分の気持ちも反映しているはずです。

「イメージの詩」は、若い頃の不安な気持ちが出ており、武道館前の宮崎奈穂子さんと重なります。最終的には「まずは動きだそう」「ニコニコしよう」と前進することに決めますが、明確な「なりたい自分」はあまりよく見えません。

一方、この曲「イメージ」は「夢が大きいほど不安になる」とは言うものの、明るすぎるくらい前向きな曲に仕上がっています。具体的には書いていませんが、「なりたい自分」というものがあるようです。

それにしても「歌・こよみ365」では「なりたい自分」という言葉が頻繁に登場します。また、7月に発売されたミニアルバムのタイトルは『なりたい自分になるまで』です。最近の、宮崎奈穂子さんのテーマのようです。

2014年11月29日土曜日

ラストチャンス(235/365)

一時期、自分の夢を諦めていたのに、どうしてもあきらめきれずに戻ってきた様子です。

大人の夢が 叶ったっていいでしょう
これが僕の ラストチャンス

夢を持つのは、もちろん青年期だけではありません。大人も夢を持ちますし、叶うこともあります。

黒人差別反対運動の指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(キング牧師)が、伝説的な演説「I have a dream (私には夢がある)」を行ったのは1963年8月28日で、34歳の時でした。政治家としての34歳はかなりの若手ですが(1964年のノーベル平和賞は史上最年少での受賞でした)、世間で「いつまでも夢を追うな」と言われる場合はかなり上です。

 

この方が何歳かは分かりませんが、「ラストチャンス」というわけではないはずです。やなせたかし氏が「アンパンマン」を書いたのは50歳の時、テレビ放送の開始は69歳の時です。やなせ氏がまんが家を目指したのが28歳の時ですから、世間的な成功までは実に40年以上もかかっています。

大学受験や就職活動が、人生を左右すると思っている人はたくさんいますが、二十歳前後のイベントなど、実は大したことないのかもしれません。

2014年11月28日金曜日

外はふわっと 中ぱりっと(234/365)

「外はぱりっと、中はふわっと」「外はかりっと、中はとろっと」という言葉は、食品のコピーによく使われます。昔、週刊アスキーで「『外はとろっと、中はかりっと』だと食べにくくてしょうがない」というギャグまんががありましたが、この歌はまさにそれです。

でも、食品ではなく、人間性のお話です。

外はふわっと、人当たり良く、中はぱりっと芯を持って仕事をしよう(仕事には限りませんが)という歌詞ですが、普通とは逆の使い方で、なかなかいいタイトルです。曲も軽快で、何でも軽くこなしているような格好良さが出ています。

大きなミスをしても「ここで泣いたら女がすたる」と背筋伸ばしてデスクに戻り、苦手なメイクも頑張って「弱さも強さもちゃんと隠せてる」。本当は大変なんですが、それをアピールしても仕方ありません。

弱いところを隠して信頼してもらい、強いところを隠して受け入れてもらうのはとても大事なことです。

これができれば、本当に魅力的な女性になれます。男性も見習いたいところですが、化粧で隠すのが難しいのは残念です。

路上ライブをしていると、いろんな人が来ます。酔っ払いがマイクを奪って勝手に歌おうとしますし(マイクのスイッチを切っていました)、うるさいからやめろという人もいます(素直に移動するか、姿が消えるまで待ちます)。嫌がらせであっても通報があれば警察は中止の指示を出します(素直に従います)。滅多にありませんが、ヤクザが場所代を要求してくることもあります(金銭は決して渡さず移動します)。

「気に入った」と言いながら話しかけて歌の邪魔をする人もいれば、準備を手伝ったり、移動時について来る人もいます(移動は別々に、準備や撤収は極力手伝わないのが宮崎奈穂子さんの場合のマナーです)。

この辺のあしらい方を見ていると、人当たりはいいのですがしっかりとした対応で、本当に「外はふわっと、中はぱりっと」を実践しています。

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▲こんな感じで集まります

2014年11月27日木曜日

そんな生き方だから(233/365)

自分の意志を通そうとすると、周囲との摩擦が発生するという歌。

可能性は無限大で どんな障害も成長のチャンス

という歌詞は、宮崎奈穂子さんの初期の作品「壁と僕」に

壁は乗り越えるんじゃなくて 僕を強くするもの
(2012年11月2日発売 『路上から武道館へ〜Birthday Eve〜』)

という歌詞があります。

歌詞には「自分を貫く」「迎合しない」と、強い言葉が続きますが、賛同者を募り、時には人の意見を聞くことも大事です。これは別の曲で歌われていますので、多面的に考えるのがいいと思います。

自分の意志をしっかり持って信念を貫くことと、他の人の意見を取り入れて軌道修正することは、決して矛盾するものではないはずです。

「壁と僕」が収録されたアルバムは、武道館単独公演当日の発売ですが、私はWebサイトで購入し、直前に入手したように思います。

BirthdayEve

2014年11月26日水曜日

この手で描いた線(232/365)

以前書いた記事「この手で描いた線」の再掲です。

元の記事が削除されないことを願っています。


銅版画家・小松美羽さんに贈る歌

まずは宮崎奈穂子さんのブログ
【歌・こよみ365第4弾アルバム】小松美羽さんに贈った「この手で描いた線」歌詞公開*
をご覧ください。

銅版画家・小松美羽さんとは長野のイベントでお会いしたそうです。

「歌・こよみ365」の曲は、依頼者やエピソード主のことは意外に描かれていないのですが、珍しく詳しく書いてありました。

ですので、ここで書くことはもうありません。

.

2014年11月25日火曜日

「将来」(231/365)

学生時代、「大人」はどう見えていたのでしょう。「仕事は厳しい」とか「大人は大変」とか、ネガティブなことばかり言う大人が多かったので、あまりいいイメージはなかったのではないでしょうか。

学生には学生の楽しさがありますが、大人にも大人の楽しさがあります。

この曲では

学生のときは 勉強して
部活して 恋をして
文化祭とか 頑張って
進路のこと 考えたりして

とか

毎日全力で 生きていた
悩んだり 夢見たり
喧嘩したり 仲直りも
遅刻しそうで 走ったりとか

と歌いますが、すべて「大人」と同じです。

大人になっても毎日勉強して、趣味のサークルで活動し、恋をして、サークルの発表会をして、転職のことを考えます。

毎日全力だし、悩んだり、夢見たり、喧嘩したり、仲直りしたり、遅刻しそうで走ったりもします。

私の家の近所に高校があります。文化祭頃からカップルが増え、12月後半から2月中旬までがピークのようです(言うまでもなくクリスマスとバレンタインデーの間です)。

あるとき、男の子の手が不自然に動いていることに気付きました。隣に並んで歩いている女の子の手をつなごうとしているみたいですが、タイミングがつかめないようです。

「大人」には、こういうところはないかもしれません(いや、人によってはあるかもしれませんが)。

別のときは、朝信号待ちの女の子同士が会話していました。

「あれ、遅刻じゃない?」
(どうやら1時間目は体育で、着替える時間がいるらしい)
「うん、大丈夫、走れば間に合う」

その後、信号が変わっても2人はふつうに歩いていました。私は「走れよ」と心の中で突っ込みました。

「大人」も、客先に行くときは走りますが、特別な用がなければ遅刻する人が多いかもしれません。これは同じですね。

そういうわけで、人間、学生時代も社会人になっても、そんなに変わるわけではないということでした。

2014年11月24日月曜日

プライド(230/365)

「若いときに悩んだことを無駄にしないために、今頑張ることが私のプライド」という歌です。こういう発想はあまり聞いたことがなかったので新鮮です。

済んでしまったことは、どうやっても取り返すことはできませんが、未来は変えることができます。

どんなことがあっても「それもみんな何か意味があることだから」(落ち込まないぞ(221/365))と言えるのは、「未来の自分が意味あることに変えたから」ということでもあります。

この曲は、過去の自分に対して「私の苦労は無駄にしない」という歌ですが、逆に「今の苦労を無駄にしない」と未来に向かう歌でもあります。

2014年11月23日日曜日

なんでこの仕事してんだろ(229/365)

後輩も入ってきたのに、目の前の仕事で精一杯だし、それもできているかどうか分からない。向上心の高い人ほど思うようです。

どこに進んでいるか分からないと悩む人もいるようですが、それは「ビジョン型」にとらわれすぎているからかも知れません。実はしっかりした意志を持ち、その都度決断を繰り返す「価値観型」かもしれません(それでもどこかで(225/365))。

評論家の岡田斗司夫によると、学習のステップは以下の4段階だそうです。

  1. 理解する
  2. やってみる
  3. 対価(評価)を得る
  4. 人に教える

たとえば、写真を撮るならこうです。

  1. カメラの使い方を知る
  2. 写真を撮る
  3. 人に見せて感想を聞く
  4. 人に教える

今のカメラは、ほぼ全自動で撮影できるので、1は軽くクリア(というか何もいらない)、2も簡単。SNSの発達により3も簡単ですが、友人ばかりだと気兼ねして正当な評価をもらえないかもしれません。コンテストなどの方がいいでしょう。そして、学んだことを人に教える。

一般的な仕事の場合はこうなります。

  1. 研修を受ける
  2. 仕事を割り当てられる
  3. 上司やお客様から評価される
  4. 後輩を指導する

「私なんて、まだまだ人に教えるレベルではありません」と遠慮する人も多いようですが、人に教えるのは学習の途中段階で、自分の知識や技能を定着させるためという側面もあります。機会があれば指導する側に回った方が絶対に得です。

人に教えることで、自分の知識が定着し、教える側と教わる側の両方が成長できます。

2014年11月22日土曜日

恐れないで(228/365)

未来はすべて私次第。可能性はやってみなきゃ分からない。迷ったら知らない道へ進むこと。変わることを恐れないで、という歌です。

毛沢東語録(毛主席語録)にこういうフレーズがあるそうです(毛主席語録・毛沢東バッヂ)。

世界は君たちのものであり、また、われわれのものでもあるが、しかし、結局はきみたちのものである。きみたち青年は、午前八時、九時の太陽のように、生気はつらつとしており、まさに、伸び盛りの時期にある。希望はきみたちにかけられている。

モスクワで我が国の留学生、実習生と会見したときの談話[1957年11月17日)]

ぐっと省略して「世界は若者たちのものだ」と伝わっていることもあります。

「君たち」とは、モスクワ留学中の中国人のことですが、年齢的なものではなく可能性に対してかけられた言葉ではないかと思います。

チャールズ・ダーウィンも

最も強い者が生き残るのではなく、 最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である

と言ったとされています(実際には、こういう発言はなかったようですが)。

でも、未知なものを選択するのは難しいですね。

以前、宮崎奈穂さんはこんなことを書いていました(明日明後日は、初の長野路上ライブに行ってくることにしましたっ!)。

最近、
「1日ひとつ、新しいことをしてみる
(かつ、いいと思ったものは、続けてみる)」
が個人的なテーマです。
365日ひとつずつやったら、
1年後には何か変われているかも!
という想いを込めて。。
成長したい、という気持ちを、
行動にすることにしました。笑

2013年5月2日の記事ですが、その後いかがでしょうか。

Mao bibel.jpg
ドイツ語版「毛沢東語録」"Mao bibel" - selbst eingescannt (Benutzer:Hph).
Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

2014年11月21日金曜日

人間は不思議だね(227/365)

ひとつのことに満足しても、別のことを求めてしまう。ひとつの悩みが解消されても、別の悩みが生まれる。人間は不思議な生き物だという歌です。

でも、本題はそこではなくて、みんなが常に何かを求めて、いつも何かに悩んでいるから、みんな歩いて、出会い、支え合うと続きます。

自分だけでは解決できなくても、他の人と出会うことで解決できたり、他の人に欲求を満たしてもらい、他の人の欲求を満たすことが楽しいのだと思います。

自分が助かる最も効果的な方法は、他の人を助けることだと言います。常に欲があり、悩みがある人間ですが、多くの人がお互いに補い合うことで、少しは楽しい生活ができるのではないでしょうか。

2014年11月20日木曜日

お誕生日の歌(226/365)

タイトル通り、誕生日の歌。多くのアーティストが誕生日の歌を作っていますが、どれも楽しい曲です。もちろんこの曲も。「生まれてきてごめんなさい」なんて曲はあまりありません。

ちなみに、有名な「Happy Birthday」は日本での著作権は消滅しているため自由に使えるそうです。とうに消滅していたかと思っていましたが、消滅したのは2007年だそうです。しかも米国では2030年まで延長処置により継続中だとか。

誕生日は「365日のうちの特別な日」とされますが、2月29日生まれの人はどうなるのでしょう。法的には「誕生日の前日(2月28日)が終了するときに年齢を加算」とされています。つまり2月28日が実質的な誕生日になるようです。

法律には時間帯の区別はないので、「前日が終了するとき」は「前日」と同日とみなし、誕生日の前日に歳を重ねたと考えるそうです。

ちなみに、小学校は「満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから」なので、1学年は4月2日生まれから翌年4月1日生まれの児童で構成されます。実際、4月1日生まれの同級生は早生まれ扱いで1月から3月生まれと同じ年の生まれでした。前日加算は2月29日だけの例外のようです。

本来、このブログは、歌の解説や感想を書くのではなく、こうした注釈を書く(annotated)ところです。

数学者のマーティン・ガードナーが書いた「注釈付きアリス(The Annotated Alice)」という書籍があります。「ふしぎの国のアリス」と「鏡の国のアリス」の各所に注釈を付けまくった名著です。たとえば、「きちがい帽子屋(Mad Hatter)」は「水銀中毒で正気を失った人がいたという説がある」ことが紹介されています。

こうした注釈の多くは、本文の理解を助けるためには役に立たず、単なるうんちくに過ぎません。本ブログも、そういう内容を目指しています、本当は。


新注 不思議の国のアリス


新注 鏡の国のアリス


▲高校生シンガー「理星(りせ)」さんの「いちご☆BIRTHDAY」(動画は中学生の時のもの)

2014年11月19日水曜日

それでもどこかで(225/365)

理想を持っても、どうせかなわないからあきらめた。それでもどこかで逃げてる自分に後ろめたい気持ちを感じているようです。

高い目標に対して、「どうせかなわない」とあきらめるのは、失敗したときのダメージを回避する防衛反応という説もあります。

庄司薫の小説『赤頭巾ちゃん気を付けて』には「馬鹿馬鹿しさのまっただ中で犬死にしないための方法序説」という文章が紹介されています(主人公のお兄さんたちの同人誌という設定です)。

そこには「問題があったら、とにかくまずそれから逃げてみる。逃げ切れたら結局どうでもよかった問題だ。どうしても逃げきれない問題があったら、それが自分の問題だ」とあります。

主人公の庄司薫(小説の作者と同姓同名です)は、「では、その自分の問題を発見したときに、どうすればいいのだろう」と悩みます。

最後の最後で解決できないのですが、とりあえず自分が力を付けるための時間稼ぎとしては有効なので、ときには「逃げる」ことも悪くないと思います。「三十六計逃げるにしかず」という言葉もあります。

実は、「理想があって、それに向かっていく」というスタイル(ビジョン型)は日本人に多くないそうです。それよりも「今大切に思っていることを選択する」というスタイル(価値観型)が多いそうです(田中淳子『常に「いま大切なこと」を選んで歩む』)。

宮崎奈穂子さんの歌には、ビジョン型のキャリアが多く登場しますし、『歌・こよみ365』にも「なりたい自分」という言葉が頻繁に登場しますが、それが唯一の正しい方法ではありません。実は「別に、なりたい自分とか理想はないけどいいよね」という半ば悩んでいる歌もあるように「今、この時点で正しい選択をする」という生き方もあるということです。

2014年11月18日火曜日

ときに追いつめられることも人生大事だ(224/365)

どこに向かっているのか分からなくなることもあるけど、ぼんやりしている未来に向かって歩き続けよう。しんどいことがあってもきっと乗り越えられる。ときに追い詰められることがあっても、だからこそ見える未来がある。むしろ、追い詰められないと動けない。未来が分からないのは当たり前だから、歩き続けるしかない。

そんな曲です。

歌詞を読むと深刻な感じですが、曲は軽快で、決して深刻さはありません。

幸福とは、乗り越えられた不幸のこと

という言葉もあるように。追い詰められるからこその幸せがあるのかもしれません。

ところで「乗り越える」というのはどういう意味なのでしょう。私は「生き残る」だと考えています。どんな困難なことがあっても、死ななければ「乗り越えた」と言い切っていいと思います。

死ぬこと以外はかすり傷」という言葉もあります。初出は諸説ありますが、どうやら著述かで実業家の山崎拓巳さんの著書「人生のプロジェクト」(2007年)が最初のようです。


人生のプロジェクト (Sanctuary books)

2014年11月17日月曜日

信じてごらん(223/365)

以前書いた記事「信じてごらん」を再掲し、その後にある歌手を紹介します。


信じてごらん (ワタミグループ創業者渡邊美樹さんに贈る歌)

ブログ記事
昨日の路上ライブ&ワタミさんの創業祭、ありがとうございました!!

宮崎奈穂子さん、ワタミグループのイベントにもときどき出演していらっしゃるようです。同行したスタッフの方が「(ワタミの)社員の皆さんは、元気があって、いい印象でした」ということでした。

そして、この歌詞、ジョン・レノンの「Imagine」がモチーフになっているようです。一部を抜き出してみます。

海はつながっていると想像してごらん
世界がひとつと信じてごらん
言葉が違う国も
肌の色が違う国も
瞳の色が違う国も

こんな感じです。

▲路上ではあまり歌っていないようですが、動画見つかりました

ワタミ創業者っていうと、ちょっと敬遠する人もいるかも知れませんが先入観なしに聞いて欲しい曲です。


ジョン・レノンの「Imagine」といえば、高校生シンガーの理星(りせ)さんが時々歌っています。ちょっと高校生とは思えない迫力で感動しました。

しゃべるとふつうの、というか、むしろふつうより幼い高校生ですが、歌はほんとに素晴らしい。

この動画は、中学生のときだと思います。

英語もしっかりしていて、将来が楽しみです。

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▲天下一音楽会という勝ち抜きイベントの「アニソン・ボカロ部門」で優勝したとき
(衣装はMOBACO.さん)

2014年11月16日日曜日

キレイになりたかった私へ(222/365)

女性にとって、美醜は人生の大問題のようです。

確かに、美人は美人だというだけでモテます。それはもうどうしようもない事実です。そして「美人」は、基本的に女性にしか使わず、男性に対応する言葉はありません。こういう用語は「欠性対立」と呼び、差別的な発想が根底にある確率が非常に高いとされています(もちろん「妊婦」のように、原理的に男性があり得ない言葉もあります)。

最近は「イケメン」という言葉が使われ、美人の対応語ということになっていますが、「美人」が女性人口の50%くらいを指すのに対して(私の基準です)、「イケメン」は男性人口の1%くらいしか指さない(私の基準です)のではないでしょうか。父と母、叔父と叔母、弟と妹などはほぼ半々であるのに対して、大きな差があります。

ただ、美人かどうかはその人の長所のひとつではありますが、唯一の基準ではありません。他にも多くの評価基準があります。

男性の場合は、価値基準が多様化しており、顔が悪くても、スポートをしている姿がかっこいいとか、話が面白いとか、さまざまな要素があります。

映画「私をスキーに連れてって」で、「あなたがモテるのはスキー場だけ」と言われますが、原田知世と結ばれますし、実は原田知世と仲を取り持つ女性も昔からその男性を好きだったことが示唆されます。スポーツ選手と結婚する女優というのはよくある話です。

また、決して美形とは言えないコメディアンが美人女優と結婚する例もたくさんあります。明石家さんまは、今でこそ女性に人気がありますが、デビューした頃は特別な芸もないし、美形でもなく、「その他大勢」扱いでしたが、トーク番組に出るようになってからブレークしています。

女性に対しても、単一の価値観で評価する時代は、本当はもう終わっています。ちょっと気の利いた男性は、美醜で彼女を選ぶことはありません。そりゃ、美人ちゃんがいればお近づきになりたいと思いますが、それだけが評価基準というわけではないんです。

大人になれば、そういうことがちょっとは分かるかもしれません。分からない人は相変わらず悩んでいるようです。化粧技術の駆使くらいで留まればいいんですが、美容整形を病的に繰り返すようになると深刻です(美容整形そのものを否定するわけではありません)。

この歌では、きちんと向き合えたようです。

ごめんね 大人の私も 美人とは言えないし
今もまだ 比べては 悩んだりする毎日です
だけと毎日がちゃんと意味あるものになってる
夢に向かって歩けてる
だから、もう 悩まないでいいよ

ちなみに、すべてのパーツを「美しい」で構成した顔写真は、確かに美人だけど、特別な魅力は感じないそうです。

2014年11月15日土曜日

落ち込まないぞ(221/365)

結構自信があったコンペに落ちた、でも「落ち込まないぞ」という曲。

医者の友人が「コンペで負けたたら、そのための準備がゼロになってしまって、つらいだろうな」と言ってました。確かに、コンペのためであっても、見積もりやらリソースの確保やら、いろいろな準備が必要ですし、負けたらゼロになります。でも、それで人が死ぬわけじゃなし、医者のプレッシャーの方がよっぽど大きいと思います。

それに、コンペに落ちても、よい提案は顧客の印象に残り、次の仕事につながることがあるかもしれません。実際に、そういうことは何度もあり、営業的にはコンペに落ちてからが勝負です。

一般には、コンペに落ちた理由を教えてくれることはありませんが、そこを何とか聞き出し、改善し、次回に備えることがで来ます。つまり、

いや 多分 これはこれで 意味があって
きっと まだまだ 成長しなきゃいけないっていう
神様からのメッセージ

というわけです。

宮崎奈穂子さんも、以前からよくそういうことを言っていて、著書にも書いてあったと思います。一時期、ファンの間では、ちょっと困ったことがあると「それもみんな何か意味があることだから」と言ってなぐさめるのが流行しました。

最後は

からっと笑って 前に進むのだ

で終わります。

のだ」というのはとても力強い言葉です。

たとえば「これでいいんだ」と言われたら、単に現状を肯定するだけでなく、ちょっとあきらめの気持ちが入るような気がします。それが「これでいいのだ」だと、積極的に受け入れるような感じがします。赤塚不二夫のギャグまんが「天才バカボン」では、バカボンのパパが決め台詞として「これでいいのだ」と言います。たいていは、「え、それでいいの?」という不合理な状況ですが、「これでいいのだ」と断定されれば納得せざるを得ません。そういう力が「のだ」にはあります。

2014年11月14日金曜日

だめな子なのかな(220/365)

自分を卑下する人っていうのは結構います。いい人なんですけど、度が過ぎると逆に困ってしまいます。

いつも迷惑かけてる? もしかして私嫌われてる? 私、お荷物だからいない方がいい?

たいていは、そう思う人は何の問題もなくて、なんとも思っていない人が迷惑だったりしますね。

がんばってるつもりなのに
がんばってるつもりでしかないのかな?

と考えることも大事ですが、もうちょっと無神経に生きてもいいと思います。

頼まれた仕事ができないときは「私にこの仕事ができると判断したあなたが悪い」とめちゃくちゃな理由を言っていた人もいましたが、ときにはそれくらい開き直ってもいいのではないでしょうか。

最後はこう終わります。

きっと答えは出ないけど
それでも歩き続けよう 私のペースで
いつか笑える日が来るかな
ずっと分からないまんま まんま...

実際、どうなるか分からないけど、今できることをやるしかないんですよ。

2014年11月13日木曜日

音楽の力(219/365)

テレビから流れる曲、中学生の頃にMDで聞いた曲、いろんなことを一気に思い出すことは、得に音楽に興味がなくても経験しているのではないかと思います。

マルセル・プルーストの超長編小説「失われた時を求めて」では、マドレーヌの香りがきっかけで話が展開します。「香りは官能を直接刺激するから、強い印象を残す」と解説されますが、実際に香りや味から過去を思い出す人は少ないでしょう。

そもそも、味は自分から能動的に感じるしかありません。街中で出会う香りは限定的ですし、過去の自分の体験と完全に同じものが出てくることも少ないでしょう。

それに対して、音楽は突然飛び込んできますし、古い曲でも聞く機会がたくさんあります。

2番では、ライブハウスの盛り上がりや、リズム、メロディ、言葉、声が合わさって心を動かす力が描かれます。

最後は

そんな誰かの心に響く
音楽を作りたいと思った

で終わります。

てっきり、宮崎奈穂子さん自身のことだと思っていたんですが、よく考えたら『歌・こよみ365』は人のための歌なので、別の人でしょうか。

『歌・こよみ365』には、音楽関係の人も何人か取り上げられていますが、1人だけ未確認の人がいます。その人の歌なのかと思うのですが、これについては確認してからもう一度書きます。

ということで

続く...

【続き】

確認したところ「エピソードのご応募をもとに作った楽曲です」ということでした。
(*「ナチュラルにお返事します(*´∀`)~質問コーナー~」お返事①*)

私の思った人と違いましたね。

2014年11月12日水曜日

あの日(218/365)

ちょっと大人になってから、昔を振り返っているのでしょうか。

歌い出しは

「明日が見えない」と 泣いたあの日 思い出して
この世の誰なら 明日が見えるって言うんだって
ちょっと笑えた

こういう気持ちは分かりますが、今思えば、若いときは、いろんな可能性があるから「見えない」と思ってしまうんですね。そのうち「明日が見えた」と悩むようになります。

でも、実際には、いくつになっても新しい明日は来ます。

若い人は、人生の残り時間がたくさんあるのに、焦って、イライラしたり不安になったりすようです。年を取ると、残り時間が少ない割りには焦りは消えます。それは、焦っても問題は解決しなことを学習したからかもしれません。そして、気持ちではなく、行動が大事だと分かってくるからかもしれません。

つまり、2番の冒頭

「夢って叶うのかな」って 泣いたあの日 思い出した
そんなの考える 暇があるなら手を動かして! って
今なら言うだろう

ということです。

夢や目標のない人も、まずは自分が人のためにできる仕事(work)をしてみること、先に紹介した評論家の岡田斗司夫さんも言っています。「金銭的な報酬はなくても、人のために自分の時間を費やすことを続ければいい」と。

「なりたい自分」とか「あるべき姿」とか、最近はそういうことを言う人が増えました。自分なりのイメージを持っている人は、それを目標にすればいいと思います(でも目標からそれることも恐れずに)。特別な目標がないのなら、「自分らしく」などと考える前に手を動かせと、私でもいます。

若者よ、自分探すな、職探せ

という言葉もありますね。

2014年11月11日火曜日

掴むんだ(217/365)

「人と比べてどうありたい」というのは、動機としてはよくありますが、あまり続かないように思います。

全盛期のイチローは(今でも十分一流ですが)、野球選手として頂点にあったにもかかわらず、インタビューで今後の目標を聞かれ「もっと野球が上手くなりたい」と言ったそうです。タイトルを取りたいとか、収入を上げたいとかではなく「野球が上手くなりたい」というのは、結構すごいことです。しかも、誰かと比べているのではなく、今の自分よりも上手くなりたいと言っています。

このように、自分でこうありたいと思って動くことを「内発的動機付け」と呼びます。報酬や賞罰による動機付け(外発的動機付け)による行動よりも、内発的動機付けによる行動の方が高い成果が得られるという研究結果があります。

外発的動機付けは、いわゆる「アメとムチ」。アメも大事ですが、それより「やりたい仕事」の方が大事じゃないでしょうか。

『家畜人ヤプー』という小説に、奴隷を効率よく働かせるには賞罰ではなく、宗教を使えというエピソードが出てきます。これは、本物の宗教には失礼な見方ですが、自分の信念に従った方が高い成果が得られることは確かでしょう。実際に、巨大建築の多くは宗教が関係しています。ピラミッドだって、奴隷ではなく、自発的に参加した人が作ったと言われています。

仕事の報酬は仕事」という言葉もあります。「いい仕事をしたら、次の(もっと楽しい))仕事ができる」という意味です。経済的な報酬ももちろん大事ですし、周囲の評価も大切ですが、もっと重要なのは「自分が満足したか」ではないでしょうか。

そして、自分が満足したかどうかは、周りの人を満足させたかで、金銭的な利益はその結果じゃないかと思います。

この曲では、昔は人と比べて悔しい思いをしたけど、今は「昨日の自分」と比べて目標を掴むんだ、と歌います。

自分が満足できて、自分が関わる人が喜んでもらうことを考えていれば評価が上がります。そうすれば経済的な問題は何とかなるものです。

経済的なものは大事だが、それ以上に「評価」というものが重要になっていきていると指摘したのが、評論家の岡田斗司夫が提唱する「評価経済社会」です。

何冊か著書が出ていますが、今回は2冊紹介します。

評価経済社会を、歴史的な変化や実例を元に論じた「評価経済社会」、評価経済社会では、働くことのあり方も変化すると指摘する「僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない」、どちらも面白い内容でした。


▲評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている

 
僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない (PHP新書)

2014年11月10日月曜日

あなたと出会えたこの地球(216/365)

あなたと出会えたこの地球」に若干の加筆を行って、再掲載しました。


株式会社湘南貿易エコプロジェクトテーマソングとなっています。「一歩前へ」と同じ会社のための曲です。こちらのエントリもあわせてお読みください。

この曲は、リサイクルの啓蒙ソングのような感じになっています。

回収ペットボトルが、再生ペットボトルになるのは知ってましたが(他にフリースにもなるらしい)、ペットボトルの フタがボールペンになるのは知りませんでした。

もっとも、多くの場合、再生にかかるエネルギーは、新しく作るよりも多くかかるので、本当に再生が良いかどうかは分かりません。値段も再生品の方が高いことがありますし。

エコの基本は「3R」、Reduce(削減)、Reuse(再利用)、Recycle(再生)ですが、ReduceとReuseに比べてRecycleはコストがかかります。

たとえば、再生紙は普通紙よりも、製造コストがかさみ、原価が高くなると言われています。排出する二酸化炭素量も多く、決して経済的ではありません。それでも、再生紙を使うのは「森林資源の保護コスト」と考えているからです。樹木の育成には時間がかかるため、追加で発生する費用以上の効果があるということです。

ただ、二酸化炭素の排出量が増えていることを考えると、なるべくReduceとReuseを心がけたいものです。

Recycling symbol

▲リサイクルマーク

2014年11月9日日曜日

愛が支えるウエディング~Wedding Song~(215/365)

愛が支えるウエディング ~Wedding Song~」で紹介していますが、改めて書き直しました。


『歌・こよみ365完全版』18枚目は仕事関係の歌が多いのですが、出会いを描いた曲もあります。

この曲は、タイトル通り結婚式の歌です。『歌・こよみ完全版』には、結婚式の歌が9曲入っていおり、そのうちの1曲です。

友人というよりは先輩とか親戚という感じのイメージです。スピーチ風に進行するので、替え歌も作りやすいかもしれませんね。

ところで

花嫁になるためのバージンロード花婿になるためのサクセスロード

という歌詞があります。

「バージンロード」というのは、日本の結婚式場業界が考えた和製英語でだそうです。結婚式では布を敷くので、特別な道にはなります。ただし呼び名は「Wedding aisle(結婚通路)」ですから、単なる説明ですね。

英語の造語能力は低いので、特別な用語に対して一般名詞を使うことがよくあります。学術用語でも同じことで、数学の「微分」は英語で「differential」ですが、これは単なる「差(違い)」という意味です。

微分は、無限に細かく(微細に)分割して、直前の状態との差を考えることですが、「微分」というと特別な用語になります。

一方、differentialだと単なる「差」となって、引き算と区別できません。引き算はdifferenceなんですが、同じ語源の単語でもあり、専門家でない限り区別は難しいでしょう。

特別な用語を作ることで、専門家に撮っては厳密な議論ができる反面、初学者に取っては学習のハードルが高くなります。一般用語を使うと、取っつきやすいのですが厳密な理解が難しい場合があります。どちらも一長一短ですが、漢字を使えば専門用語でありながら、なんとなく意味が分かるので優れた方法だと思います。明治時代の数学者に感謝します。

数学のような抽象概念を母語で学べる国はそれほど多くありません。アジアの多くの国では大学の授業は英語だそうです。これは、専門用語が母語に翻訳されておらず、カタカナに相当する用語もないからだと聞いています。

だから、大学を出て英語がしゃべれないことを不思議に思われるのですね。

ところで、この曲では「バージンロード」に対応する「サクセスロード」というのが登場します。花婿が登場する道のようですが、結婚式では花婿は待機しているだけで通路を進みません。そういう演出もあるのでしょうか。

2014年11月8日土曜日

夢の続き(214/365)

「スポーツクラブNAS株式会社柴山良成社長に贈る歌」だそうです。

前に書いた「夢の続き(スポーツクラブNAS株式会社柴山良成社長に贈る歌)」に加筆・修正しました。


スポーツクラブNAS株式会社の柴山社長は、武道館コンサートを強力にサポートしていただきました。

武道館のコンサートは、相当な大物でもチケット代だけでは赤字になるそうで、物販の販売が不可欠なんだそうです。宮崎奈穂子さんのときも、かなり早い時間から物販が始まっており、タオルやリストバンドを売っていました。

大物でもそんな感じですから、一介の路上シンガーが黒字を出すのは難しかったかもしれません。宮崎奈穂子さんの場合は、スポンサーを付けることでなんとか採算を取ったのではないかと想像しています。

とはいえ、この御時世、単に「スポンサーになってください」で納得できるわけもありません。社長がOKと言っても、他の役員や株主が黙っていません。そこで出てきたのが「パネルディスカッション」というアイデアじゃないかと想像しています。

その時の事情説明がこの記事
11月2日(金)日本武道館公演『パネルディスカッション』に関して。

実際には、意外に違和感なく進行できたと思います(DVDは見返してないけど)。

肝心の曲ですが、これがなかなかいい曲です。が、映像がない。Amazon.co.jpでアルバム売ってたんですが、現在はもう一般流通はしていないようです。

歌こよみ365 早春編Album~夢に歌えば~ (Amazon.co.jp)

2014年11月7日金曜日

「もっと頑張っておけばよかったな」(213/365)

もっと頑張っておけばよかったな、と思うことはありますけど、それはもう遅いですね。いろいろと、できない言い訳をせずに「もっと頑張っておけばよかったな」という曲です。

昔のエッセイに、こんな言葉があるそうです(要旨のみ)。

「下手なうちはこっそり練習して、上手くなってから披露しよう」などと考えている人は決して芸を習得できない。

上手な先輩の中に交じって、怒られようが笑われようが、平気で練習するものだけが芸を習得できる。才能や素質なんかなくても、休みなく、自分勝手なやり方をせずに練習すれば、きっと成功する。

名人と言われる人でも、最初は無能と言われたり、恥ずかしい思いもしているものだ。

出典は、兼好法師(吉田兼好)が鎌倉時代末期(14世紀)に書いた「徒然草」150段です。昔と言っても大昔ですね。著作権は切れているので全文転載してもいいんですが、古語ではちょっと分かりません。

ちょっと検索したら、完全な現代語訳があったので、興味を持った方はこちらを参照してください。

『徒然草』の149段~152段の内容

ところで、この曲には「へなちょこ」という言葉が2回登場します。この「へなちょこ」という言葉がなかなか可愛らしいですね。

実際問題 まだまだへなちょこで
成長できてるのかな 不安になるんだ

実際問題 まだまだへなちょこだけど
前に進むんだ もう後悔したくない

最後は「もっと頑張っておけばよかったな」という後悔ではなく、前へ進むようです。頑張ってください。

2014年11月6日木曜日

わかってるんだけど(212/365)

前に書いた「わかってるんだけど」に加筆・修正しました。


宮崎奈穂子さんのブログ記事にも出てきました。
【歌・こよみ365曲】「わかってるんだけど」と、昨日の素敵女子さん写真@路上^^

ちなみに、この日は私もそこで見ておりました。

歌・こよみ365』の1曲目シングルは、女子レスリングの吉田沙保里さんに贈る歌『Passion Mission Action~SAORIのように~』だったんですが、1枚目のアルバム『歌・こよみ365 早春編Album~夢に歌えば』の1曲目がこの曲です。

シングルは、PR効果を狙って有名人に向けた歌を採用したのですが、アルバムは「歌・こよみ365」のコンセプトを優先して無名の人に対する曲をトップに持ってきたのかなと想像しています。


▲珍しく自分で撮った動画

かなり早い時期にできた曲ですが『歌・こよみ365完全版』では後半に入っています。『歌・こよみ365』は、一般発売されたアルバムの他、企業がスポンサーに付いた場合はシングルも出ています。そこには通し番号が書いてあるのですが、『歌・こよみ365完全版』とは違う数字です。

特別な人ではなく、ごく普通に働く人のことを歌った曲はドラマになりにくいせいか、世間には意外に少ないのですが、「歌・こよみ365」にはたくさん登場します。

考えてみれば、仕事はどれもすべて特別なもので「普通の仕事」なんてないのかもしれません。

でも、その反面、どの仕事にも共通することもあって、この曲を聞くと、誰もが自分のことを重ねられるような気がします。

この曲は、働く女性の、というか働く人すべてが、ちょっとくらいこういうことを考えたのではないかと思います。路上でも、この曲を聞いて涙ぐんでる人をときどき見かけます。

確か、この曲が出来た頃に路上ライブのテレビ取材が入っていて、インタビューされていた人がいました。

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▲確か、その時の取材の写真だと思うのですが自信ありません(2013年2月9日)。

『わかってるんだけど』は、その少し後にできた『がんばる勇気』という似たようなメッセージの曲に隠れたのか、意外に歌われる機会は少ないのですが、なかなかいい歌です。歌詞の中にある「KY」という言葉はすっかり使われなくなりましたが、もっと歌われてもいいのではないかと思います。

2014年11月5日水曜日

もやもや(211/365)

もやもやした気持ちって、ありますか? 私は今はあまり感じません。年を重ねて老人力が付いたからかもしれません。

ひとりが好きなくせに ひとりは寂しくて
自分で選んだ道なのに どこか不安でいっぱい

人間には、そういう相反する2つの気持ちが同居しているもんです。

と言っても、不安なのだからしょうがないですね。

もやもやといえば、評論家の岡田斗司夫さんが毎朝発行しているメールマガジン「岡田斗司夫の毎日メルマガ~解決!ズバッと」にこんな話がありました。出典を明記すれば転載可ということなので、これを紹介して今回は終わります。

それにしても「もやもやは、エンジン音なんだから、力を出すときにもやもやするのはしょうがない」って、すごい結論ですが、なんとなく納得できますね。


不安やモヤモヤを取り除くには

おはよう! 岡田斗司夫です。

僕がニコ生でお答えした『解決!ズバッと』を、毎日どんどんお届けします。今回は『必ず解決!ズバっと』会員からの質問です。

【質問】「不安やモヤモヤを取り除くには」
常に不安やモヤモヤを心に持っています。楽しいことをしている時もです。
この不安やモヤモヤを取り除いて、スッキリと生きていくにはどうすればよいでしょうか。

【岡田斗司夫の回答】

<岡田>
この不安やモヤモヤって、シンゴはある?

<シンゴ>
ないっす。

<岡田>
ないよなあ。俺らはないんだよ。(会場笑い)

< 岡田>
注目型と言われる俺達タイプにはなくて、理想型とか法則型の人たちは、よくあるみたいなんですけども。モヤモヤがない人間が、こういうのに答えるのは申し訳ないんだけども(笑)。

正直な話、周りで結構そういうのがいる人がいるから話聞くんだけども、その不安やモヤモヤっていうのが現状あるわけじゃん? それはもう家の中のトイレみたいだと思うしかないんだよ。トイレだから臭い匂いするの。で、このトイレをなくそうと思ったらお腹が痛いじゃん? 困るだけだから。家にトイレがあるんだから、せめてできることはトイレ掃除するぐらいだから、不安やモヤモヤはもうこれ以上増やさないことしかできないんだ。

不安やモヤモヤを隠すために、トイレのドア閉めて、トイレの周りシールドして壁塗り込めて隠しちゃったら、余計後で自分が困るだけ。だから、今ある不安やモヤモヤは、毎日あるのが自分の正常。なくなってきたら自分は頭がハイテンションになって変になっちゃってるんだ、と考える。

逆に不安やモヤモヤが膨らんできたら、いつもの不安やモヤモヤより増えてきてるからちょっと減らすようにする。ということで、今ある不安やモヤモヤはもうしょうがないと思って、それと一緒に生きる。

<シンゴ>
一緒に生きてください。はい、頑張りましょう(笑)。そんな感じで、いいんですか?

<岡田>
「巨神兵みたいにロッカー蹴りたくなる」(コメント)って言われてる。しょうがねえじゃん! 俺達は不安やモヤモヤないんだから(笑)。モヤモヤがない人間にしては良い解答したと思うよー!(笑)。

<シンゴ>
この質問のすごいところは、”楽しいことしてる時も不安やモヤモヤがある”んですよね。

<岡田>
そう。俺は、そういうの”作動音”って呼んでるんだけども。

自動車のエンジン掛ける時は、ブワーンって作動音するじゃん? 自動車が走れば走るほどエンジン音が大きくなるじゃん? それと同じで、この人は多分楽しければ楽しいほど、不安やモヤモヤがその分増えるんだよ。それはもうエンジン音だから。俺達のような電気自動車を羨ましがってもしょうがない。(会場笑い)

その代わりに、お前らには馬力があるんだからいいじゃん。俺らは不安やモヤモヤはないんだけども、人生を懸けた熱い生き方なんかできないんだから(笑)。

<シンゴ>
そうですよ! 情けなくもありますが、気持ちよくもあります(笑)。

【まとめ】
不安やモヤモヤがあるのが自分の正常として、それが増えてきたら、減らすようにする。今ある不安やモヤモヤはしょうがないと思って、それと一緒に生きる。

2014年11月4日火曜日

キラリと光る(210/365)

「誠心誠意」という言葉は、簡単に使えるものじゃないという歌い出しです。

仕事で失敗でもしたのでしょうか。

仕事の失敗は、まずは謝って(それこそ誠心誠意)、どれが駄目ならお金で解決します(たいていは払い戻し、最悪は賠償金)。

でも、結局、仕事の失敗は次の仕事を頑張るしかありません。だから、一番怖いのは謝罪でも賠償金でもなく、次のチャンスがなくなることです。

逆に、仕事の成功に対する報酬も次の仕事です。成功すれば次の仕事が優先的にきます。

コンピュータ開発プロジェクトを描いたノンフィクション『超マシン誕生』によると、プロジェクト,リーダーのトム・ウエストは「プロジェクトはピンボールと同じだ」と言ったそうです。

1ゲーム勝てばもう1ゲーム遊べる。
このマシンで勝利すれば次のマシンを作らせてもらえる。

次のプロジェクトに参加するためには、今のプロジェクトを成功させなければいけない。同じ仕事を続けるには、今の仕事を全力で成功させなければならないということです。

まるで「鏡の国のアリス」に登場する「赤の女王」の台詞「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」のようです。

『超マシン誕生』のラストは製品発表会のパーティです。開発チームのリーダーだったトム・ウェストも発表会のパーティに呼ばれますが、対外的な責任者は別の人が立てられます。おそらくビジネスの責任者でしょう。映画なら監督ではなくプロデューサの立場の人です。

最近は違いますが、昔は現場の責任者(監督に相当する人)は表に出ないものでした。記者に「あなた(トム・ウェスト)は、このプロジェクトで何をしたのですか」と聞かれたとき、何がモゴモゴ言って話題を変えたとあります。

この「超マシン」は、鳴り物入りで登場し、間違いなく多くの人を笑顔にしましたが、開発者は億万長者にもならないし、歴史の教科書にも載っていません。

今回紹介している曲『キラリと光る』ではこう歌っています。

小さくてもキラリと光る 大人になりたい
誰かの幸せ 作れる人になりたいんだ

『超マシン誕生』のスタッフは、技術的にはともかく、世間的には小さな存在でしたが、多くの人を幸せにしたはずです。有名にならなくても、社会のために役立ったことを、どこかに記録しておいて欲しいですね。


超マシン誕生 新訳・新装版

2014年11月3日月曜日

笑顔を作れる人でありたい(209/365)

ある会社の新人研修に行ったとき、その会社の社長のスピーチを聞く機会がありました。正確な言い回しは忘れましたが

「良い仕事」とは、お客様を笑顔にする仕事のことだ

という言葉が印象に残っています。これを聞いてから、自分の仕事の評価は取引額や利益ではなく

『歌・こよみ365』のこの曲も同じことを言っています。

誰かひとりでいい 笑顔を作れる人でありたい

こちらは「誰かひとりでいい」と、かなり控えめです。

「特別な人間になれなくていい」というフレーズも登場します。特別な人間の例として「億万長者」「スーパーモデル」「歴史で習った人たち」が上げられます。

たいていの億万長者は正当なビジネスで成功した人ですが、麻薬王とかヤクザの親分とかもいるので、みんなが笑顔になるわけじゃありません。

スーパーモデルはいい職業です。みんなを笑顔にします。

歴史で習った人たちは、職業によりますが、中世以前の偉人は戦争や内乱で有名になった人が多いので、必ずしも笑顔にしてくれないかもしれません。

でも、よく考えたら「億万長者」と「歴史で習う人」は職業じゃないですね。

2014年11月2日日曜日

日本一の米どころを目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido(208/365)

『歌・こよみ365完全版』17枚目は仕事のことが多く歌われます。この曲は17枚目の最後にふさわしく、NHK『プロジェクトX』ばりのお話です(『プロジェクトX』ではありませんが「北海道の米」などいくつかの番組がNHKで放送されているようです)。

この記事は「ななつの星に願いを込めて」の後半に、加筆・修正をしました。転載の転載になりますがご容赦ください。


北海道の農協から依頼された、北海道米の歌です。依頼主「米米北海道のブログ」は、勤務先を説得して楽曲を発注されたそうです。

以前に別のところで書いた記事「北海道で米を作ることと、路上から武道館へ行くこと」の後半と「デジタルカメラの技術と農産物の品質管理」を転載します。


北海道米販売拡大委員会では、北海道米のイメージソングを作ってもらい、PRにつとめることになったようです。歌うのは、作詞・作曲も担当した宮崎奈穂子さん。シングルCDとして発売されていますが、ほとんどは北海道内で配布されたそうです。

シングルには3曲入ってます。3曲目は「夢を歌えば」で、これは「歌・こよみ365曲」のテーマ曲ですから実質2曲です。1曲目が以前紹介した「ななつの星に願いを込めて」、2曲目が今回紹介する「日本一の米所を目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido」です。

どちらの曲も、北海道米に対するネガティブな言葉で始まるのですが、2曲目の方が衝撃的にネガティブでした。

 

●日本一の米所を目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido

まず、出だしからすごい。1曲目の冒頭「北海道米なんて」程度じゃ済みません。

「やっかいどう米」と言われた時代があった
「鳥またぎ米」とばかにされたりもしたけれど

「ほっかいどう」じゃなく「やっかいどう」ですよ。鳥も食わずにまたいでいく「鳥またぎ」ですよ。こんな言葉、生産者に対して言えますか。でも言われたのでしょうね。

実は、北海道JAの方に聞くと、当初は1曲目も「やっかいどう米」だったんですが、あまりにひどい言葉なのでやめたそうです。

北海道の多くの米ブランドとともに、専門用語も登場します。たとえば「タンパク仕分け」。米は、タンパク質含有量が少ない方が米の食味が良いそうです。低タンパクな米を選別するのが「タンパク仕分け」のようです。

仕分けされた米はブランドからはずされ加工米となるそうです。自分の作った米が二級品になってしまうのはつらいことでしょう。

歌には「7.4はきっと今年も厳しいけど」という数字も登場しますが、これはタンパク仕分けのしきい値のようです。1年かけて育てた米が、7.4という数字で選別されるわけです。

それにしても、よくこんな生々しい歌ができたなあ、と思います。

楽曲としては1曲目の方がスマートですが、生産者には2曲目の方が心に響くかもしれません。ちょうど宮崎奈穂子さんの「夢に歌えば」と「路上から武道館へ」のような関係でしょうか。

2つの曲は同じシーンを歌っていますが、ずいぶんと印象が変わります。

▲「路上から武道館へ」

▲「夢に歌えば」

それにしても。現在でも、北海道で米作りをすることは大変なことではないかと思います。まして、先人の苦労は並大抵のことではなかったと思いますが、農協のWebサイトにはそうした苦労話が一切登場しないのがかっこいいですね。

これから北海道米を食べようと思いました。


デジタルカメラの技術と農産物の品質管理

デジカメの普及で、写真のうまい人が増えました。フィルム時代は撮影→現像→評価のサイクルが長く、評価してもらった頃は撮影時の感覚を忘れてました。今は撮影と同時に自分で確認できますし、各種SNSで瞬時に評価をもらえます。

それに比べて農産物は、多くの場合、年に1回しか評価されず、結果を活かすのは翌年です。それでも品種改良を継続的に続ける努力は尊敬に値します。『日本一の米どころを目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido』にも「1年1作だから」という歌詞があります。

私の父の実家は滋賀県の米農家で、親戚にも多くの農家がいます。作付けしているのは主に「日本晴」です。

一般に流通している米では分からないと思いますが、米は生産者が違うと違う味になります(米に限らず農産物はだいたいそうです)。父の実家と、叔父の家では味が違います。隣の田んぼでも違うので、土壌の影響は最小限のはずです。やはり作り手の工夫が味に影響するようです。。

農協は、複数の生産者の米を混ぜることで一定の品質を確保しているのだと想像しますが、それでも極端に外れた品質の米があると困るでしょう。歌詞にも、均一性を保つ努力が描かれます。

北海道米」というブランドを確立するために、米の品質を安定させたい。そういう思いが、宮崎奈穂子さんの歌「日本一の米所を目指す北海道米の歌 Rice Land Hokkaido」から伝わってきます。

農家の方は皆さんこだわりがあり、結構大変だったんじゃないかと思います。7分59秒『歌・こよみ365』最長の曲に、いろいろ考えることがありました。

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▲7分59秒と『歌・こよみ365』最長の曲なので、歌詞がはみ出してます。

2014年11月1日土曜日

この仕事が好き(207/365)

おそらく「ハッピーマイレージ(HappyMileage)」が開催する「私は自分の仕事が大好き大賞」の歌だと思います。

2014年11月3日には「第2回私は自分の仕事が大好き大賞」が開催されるようなので、そこで披露されるかもしれません。


▲私は自分の仕事が大好き大賞をなぜやるのか?
この曲は「だから命にありがとう」(宮崎奈穂子)
なかなかいい曲ですが、路上ライブでは披露されません。ここで聞けるとは思いませんでした。

ハッピーマイレージの主宰は鴨頭嘉人さんで、以前から宮崎奈穂子さんとは関わりがあるようです。詳細は、鴨頭さんのブログ記事「路上から武道館へ!宮崎奈穂子さん」に詳しいので、ぜひご覧ください。ただし、ブログは宮崎奈穂子さんが事務所を移籍する前で、旧事務所の「代表」も最後の社長ではなく、創業社長のことだと思われます。

現在でも、宮崎奈穂子さんは鴨頭さんの講演のゲストとしてよく呼ばれていますし、インターネット番組にも出演しています。


▲第1回ハッピーマイレージTV「私は自分の仕事が大好き」(これは2013年)

ハッピーマイレージは「感謝の気持ちを形にする」運動です。運動に賛同する人は、まずハッピーマイレージカードを購入します(100枚で1,000円なので、それほど高額ではありません)。あとは、感謝の気持ちを込めて、このカードを渡します。詳しくは「ハッピーマイレージとは」を参照してください。

名刺大のハッピーマイレージカードは、原価数円はするはずなので大きな利益は出ないでしょう。営業利益は主に講演受講料から出ているように思います。

ハッピーマイレージの曲「ハッピーマイレージ」は、2012年にできており現在でもよく歌われます。一般に、企業や団体に向けて作った歌は面白みに欠けることが多いのですが、これはなかなかいい曲に仕上がっています。


▲ハッピーマイレージ