2014年12月14日日曜日

鍵はどこにあるんだろう? (250/365)

『セレンディピティ』と同様、何かの寓話を元にした歌です。

「夢の扉」を前にするものの、扉は開かない。鍵が必要なのだろうが、どこにあるか分からない。途方に暮れて助けを求めたら、手伝ってくれる人がいた。その数がどんどん増えていって、とうとう扉は開いた。鍵は最初からなく、みんなで力を合わせることで「夢の扉」が開いたという内容です。

詳しいことが、宮崎奈穂子さんのブログの中で質問に答える形で紹介されています。
*「ナチュラルにお返事します(*´∀`)~質問コーナー~」お返事①*

私の解釈では、この寓話の教訓は3つあります。

  • 1人では何もできない
  • 真剣に取り組むことで協力者が現れる
  • みんなで協力すれば夢の扉は開く

評論家の岡田斗司夫さんが『悩みのるつぼ』という書籍の中で、真剣に取り組んでいない「夢」を「ナルナル詐欺」と呼んでいます。

「まんが家になりたい高校生の孫にどう言って聞かせればいいか」という相談に対する回答です。要約すると以下の通りです。

それは「ナルナル詐欺」、なにも我慢せず、単なる夢想や逃避が「夢」。保護者が応援すべきなのは「夢」ではなく「目標」。やりたいことを我慢して日々積み上げて到達を目指すこと。

この一年は捨てるつもりで、以下のことを実行する。

  1. 孫に「マンガ家になるという目標を応援する」「そのために一年間、鬼のスパルタ家族になる」と宣言する。ちゃんとコマを割ってセリフを描いてるか、毎日どれぐらい描いてるのか進行具合をチェックする。
  2. 運動部を辞めさせて、自由時間はすべてマンガを描かせる。毎月16ページの短編を完成させて、東京の出版社に持ち込みに行かせる。部屋で描いてるのは落書き、持ち込んだ原稿のみがマンガ。
  3. 期間は1年。ダメなら普通の大学に行く。1年やっても編集から注文が来なければ「10代でデビューする才能」がないので「マトモに就職して、仕事しながらマンガ描いて持ち込み続ける」という戦略に切り替える。

面白いエピソードなのでぜひ読んでください。全文は「[悩みのるつぼ]漫画家になりたい孫」

でも、実際にはデビューしてからが大変です。まんが家は1人でもなれますが、継続するには多くの人の協力が必要です。仮に1人で全部出来たとしても(非常に難しいことですが)、作品にお金を払ってくれる読者が必要です。

宮崎奈穂子さんの曲も、武道館コンサート以降は「チームで仕事をする」という内容が増えているように思います。小さなライブハウスでは1人で歌えるでしょうし、大きめのライブハウスでも小編成のバンドがあれば十分です。でも武道館くらいになると、大舞台に負けない演出も必要ですし、さまざまなスタッフも必要ですし、第一客席が100人程度では格好がつきません。

結果的に、路上シンガーのステージとしては素晴らしい演出で、6,000人の観客はみんなが満足して帰ったことだと思います。

ところで、「悩みのるつぼ」は、絶妙な回答が多い上、悩み相談の考え方まで書いてあっておすすめです。ぜひ読んでみてください。電子書籍版もあります。


悩みのるつぼ〜朝日新聞社の人生相談より〜

2014年12月13日土曜日

インスタント(249/365)

インスタントなものではなく、本物を大事にしたいという曲ですが、冒頭だけ

インターネットをつなげば
いらない情報まで飛び込んでくる

と、インスタントとは直接関係ない言葉で始まります。もしかしたら「インターネット=検索=手軽」というつながりかもしれませんが、「いらない情報まで飛び込んでくる」というところに実感がこもります。

人の前に立つ仕事をしていると、評判が気になるものです。多くの人に満足してもらうのが仕事ですから、個人のブロガーが気にするのとはちょっと違います。

さて、本題のインスタントですが、原義は「近くに(in)立って(st)いる(ant)」の意味で、「近くに立っている」から転じて「すぐの」とか「緊急の」を意味する形容詞意味になったそうです。

名詞形は「instance」で、こちらは「実例」とか「証拠」とか「実体」という意味になります。「すぐ近くにある」ということなのでしょう。

インスタントコーヒーやインスタント味噌汁はすぐ飲めますし、インスタントラーメンは手軽にできます(実際にかかる時間はそんなに変わりませんが、手軽さが違います)。

手軽ではありますが、やはり代用品です。たとえば、インスタントコーヒーには分量を正確に測ればなかなか美味しいものもあります。スターバックスのインスタントコーヒー「VIA」は、店頭で売っているコーヒーの味をかなり忠実に再現していて驚きました。しかし、コーヒーを入れているときに広がる香り雰囲気までは再現できていません。

ちなみに、VIAは日本でも米国でも売っていますが、お湯の分量が違うので注意してください。日本で売っているものはスターバックスでいうショート、米国で売っているものはトールです(米国は基本的にショートサイズがありません)。

このように、インスタントは基本的に代用品ですが、独自の存在感を示すものもあります。たとえば、インスタント写真(インスタントカメラ)です。これは、ポラロイド写真(ポラロイドカメラ)を意味する言葉として生まれました(ポラロイドはポラロイド社の商標です)。

ポラロイド写真は、デジタルカメラが出る前、プロの写真家が照明のチェックをしたり、撮影前の現場を撮って原状復帰させるために使ったりしていました。

写真家のアラーキーこと「荒木経惟(あらきのぶよし)」氏は、一時期ポラロイドカメラに凝っていて「これでエッチな写真も簡単に撮れる」とエッセイに書いていました。

アラーキーは、現像過程に無頓着な人で、自分の撮った作品も街の写真屋さんに現像処理をお願いしていたそうです。彼の写真はエロチックなものが多く、当然のようにプリントを拒否されたそうです(フィルム現像はしてくれます)。

ポラロイド写真なら、その場で像が現れるため気兼ねなく撮れるというわけです。画質は決して良くありませんが、独特の雰囲気が出て、アラーキーの作風とは合っていたように思います。

デジタルカメラが普及し、「撮ったその場で見える」という利点が特別なものではなくなったためでしょうか、ポラロイド社は経営破綻しました。

入れ替わるように登場したのが、富士フイルムの「チェキ」です。ポラロイド写真と同様の使い勝手ですが、判型がかなり小さいことと、画質の良いことが特徴です。

画質については主観的なものですが、私の友人は「3割増しできれいに写る」と言っていました。おそらく、DPE店にあった店頭写真現像機のノウハウが詰め込まれているのでしょう。

デジタルデータと違い複製ができないことが、希少価値を生み、アイドルライブでは物販の定番商品となっています。同じCDを何枚買っても同じものですが、チェキは毎回違うものが入手できます。そもそもCDを出していないライブアイドル(地下アイドル)もたくさんいます。判型が小さいことで、保管しやすいという利点もあります。

インスタントなものよりも、本物を求めたいものですが、インスタントから生まれた本物もあるということですね。

2014年12月12日金曜日

歩き続けよう(248/365)

人と比べても意味がない、私は私の人生を歩き続けるという歌です。

『歌・こよみ365完全版』には、この種の歌詞が多く見られます。そういう応募があったのかも知れませんが、「エピソードを募集」にしてはちょっと抽象的な感じがします。具体的なエピソードをもとに、宮崎奈穂子さんの想いが入ったのではないでしょうか。

「歌・こよみ365」の開始宣言は以下の通りです。

ブログ記事「「歌・こよみ365」という挑戦を始めます。」より

「武道館の感謝をどうやったら伝えられるんだろう」
「どうやったらちゃんと恩返しをしていけるんだろう」
と、ずっと探してきて、ひとつの答えにたどり着きました。
私にできることは、「歌を歌うこと」と「路上で広めること」

だけです。
これまでは、私自身の歌を歌ってきました。

でも、どんな方の人生にも、素敵なドラマがあります。
これからは、恩返しの気持ちを込めて、
皆様のドラマを、代わりに歌わせて頂き、
広めさせて頂きたいと思います。
「歌・こよみ365」は、
365日、毎日一曲ずつ、全部で365曲を発表していくという挑戦です。

実際には、応募ではない曲も若干は含まれるようです。この曲がどうだったかは分かりませんが、未熟でも力不足でも「歩き続けよう」という決意は彼女らしい歌詞になっています。

2014年12月11日木曜日

17:30(247/365)

タイトル通り、夕方の情景を描いた曲です。

自分のやりたいことを目指して一人暮らししている、おそらくは女性。

「頑張るって決めたなら どこまでも頑張りなさい
でもつらくなったら休みにおいで」よぎる母の言葉

やりたいことができて、帰る場所もあって、幸せなはずなのに、どこか不安で寂しいようです。

ところで、この曲には多くの単語が羅列されています。

17:30を指す時計 後ろに伸びる影
髪揺らす風 踏切の音
コインランドリー スーパーの買い物袋
誰かの家の明かり 銀杏(ぎんなん)の匂い

という感じです。

宮崎奈穂子さんの曲でもときどき使われている手法ですが、これだけ多用されているのは少ないかもしれません。

続くと耳に付きますが、たまに聞くと新鮮で、想像の余地があって、なかなかいい感じです。

ちなみに、銀杏は「ギンナン」とも「イチョウ」とも読むので、漢字で書くとどちらか分かりません。歌は「ギンナン」でした。

イチョウは、ありふれた街路樹ですが、中生代から新生代にかけての種で、「生きた化石」として絶滅危惧種に入っているそうです。ちょっと不思議な感じがします。

ちなみにシーラカンスの仲間は中生代に絶滅したので、こちらの方がちょっと古いようです。

2014年12月10日水曜日

寂しがり屋の恥ずかしがり屋(246/365)

寂しがり屋なのに「寂しい」と言えず、恥ずかしがり屋だから「ありがとう」「ごめんなさい」が言えないときがある。そんな時は、「あったかい愛で包めたらいいな」だそうです。

最後の「みんなもあなたも私もおたがいさまだから」のメロディは伸びがあってとてもいい感じです。

「ありがとう」「ごめんなさい」といえば、昔、文化放送で放送されていた「セイヤング」で、落合恵子さんが担当していた曜日に「愛の伝言板」という人気コーナーがありました。

検索しても見つからなかったので、記憶に頼って書いてみます。

たったひとこと「ありがとう」
たったひとこと「ごめんなさい」
そのひとことが言えないあなたに代わって
愛の伝言板

1978年には終了しているので、宮崎奈穂子さんはご存じないかも知れませんが、エピソードを送った方が覚えていたのかもしれません。

このコーナーのオープニング曲が、ローレンス・ウェルク楽団演奏の「Happy Heart」ですが、探せませんでした。一般には、アンディ・ウイリアムスが歌う曲として有名で、こちらは映像がありました。


▲アンディ・ウイリアムス「Happy Heart」

2014年12月9日火曜日

あなたの声 言葉を聞きたい(245/365)

頑張ったとき、他の誰でもなくて「あなた」のにほめてもらいたいという話。他の誰よりも「あたな」にほめてもらいたい。ほめてもらいたいから頑張るのでもないけど、「あなた」の声で言葉を聞きたいという歌です。

若いときに、そういう精神的な支えになる人を見つけられるかどうかは、その後の職業人生を大きく変えるように思います。

否定されたり阻害されて育った子供より、認められた子供の方が高い能力を発揮するように、大人でも認められた方が成長するようです。

直接言葉をかけられなくても、自分で目標を設定するだけでも違うそうです。この人を師と仰ごうと思う「仮想メンター」でも効果があるそうなので、目標のない人は試してみてください。

「こんな人になりたい」という思いを具体化したものが「ロール(役割)モデル」です。全く新しい仕事をしている人は、ロールモデルを見つけにくく、目標が定めにくく、なかなか能力も発揮できないようです。

上級職に就く女性が少なかった頃は、「(仕事における)女性のロールモデル」が見つけにくいと言われていましたが、ようやくちらほら出てきたようです。

ロールモデルは、単に頑張っているだけとか、能力が高いだけでは駄目で、自分と近いところを含まないといけないし、何より「なりたい自分」の要素を含まないといけないみたいです。そうでないと「あんな人には(要求が高すぎて)なれない」「あんな人には(大変すぎて)なりたくない」となってしまいます。

今までの女性は、特に上級職の女性は男以上に働いてきた人が多いため「あんな風にはなりたくない」と思ってしまう人が多かったようです(「名誉男性」という言葉があるくらいです)。でも、これからはもっと力を抜いて「ふつうに」仕事をする人が増えてほしいものです。そうしたら、男性の働き方ももう少しゆったりできるかもしれません。

1組の男女で、男性が120%働いて女性が40%働くより、男女ともに80%働いた方が人生楽しいと思います。

2014年12月8日月曜日

なりたい自分になるには(244/365)

『歌・こよみ365完全版』には「なりたい自分」という言葉が頻繁に登場します。この曲はそのものずばり『なりたい自分になるには』。

近道はないし、リスクを取りながら着実に進もう、という歌詞です。

ちなみに、宮崎奈穂子さんが2014年7月に発売したミニアルバムのタイトルが『なりたい自分になるまで』です。曲調は全く違いますが、「なりたい自分」は、彼女の最近のテーマのようです。


▲『なりたい自分になるまで』プロモーションビデオ

『なりたい自分になるまで』は、タワーレコードなどで購入可能です。表題曲以外にも『歌・こよみ365』に歌詞が一部出てくる曲が入っています。『歌・こよみ365完全版』は、きっと後世の研究者に貴重な資料を提供するはずです。