『セレンディピティ』と同様、何かの寓話を元にした歌です。
「夢の扉」を前にするものの、扉は開かない。鍵が必要なのだろうが、どこにあるか分からない。途方に暮れて助けを求めたら、手伝ってくれる人がいた。その数がどんどん増えていって、とうとう扉は開いた。鍵は最初からなく、みんなで力を合わせることで「夢の扉」が開いたという内容です。
詳しいことが、宮崎奈穂子さんのブログの中で質問に答える形で紹介されています。
*「ナチュラルにお返事します(*´∀`)~質問コーナー~」お返事①*
私の解釈では、この寓話の教訓は3つあります。
- 1人では何もできない
- 真剣に取り組むことで協力者が現れる
- みんなで協力すれば夢の扉は開く
評論家の岡田斗司夫さんが『悩みのるつぼ』という書籍の中で、真剣に取り組んでいない「夢」を「ナルナル詐欺」と呼んでいます。
「まんが家になりたい高校生の孫にどう言って聞かせればいいか」という相談に対する回答です。要約すると以下の通りです。
それは「ナルナル詐欺」、なにも我慢せず、単なる夢想や逃避が「夢」。保護者が応援すべきなのは「夢」ではなく「目標」。やりたいことを我慢して日々積み上げて到達を目指すこと。
この一年は捨てるつもりで、以下のことを実行する。
- 孫に「マンガ家になるという目標を応援する」「そのために一年間、鬼のスパルタ家族になる」と宣言する。ちゃんとコマを割ってセリフを描いてるか、毎日どれぐらい描いてるのか進行具合をチェックする。
- 運動部を辞めさせて、自由時間はすべてマンガを描かせる。毎月16ページの短編を完成させて、東京の出版社に持ち込みに行かせる。部屋で描いてるのは落書き、持ち込んだ原稿のみがマンガ。
- 期間は1年。ダメなら普通の大学に行く。1年やっても編集から注文が来なければ「10代でデビューする才能」がないので「マトモに就職して、仕事しながらマンガ描いて持ち込み続ける」という戦略に切り替える。
面白いエピソードなのでぜひ読んでください。全文は「[悩みのるつぼ]漫画家になりたい孫」
でも、実際にはデビューしてからが大変です。まんが家は1人でもなれますが、継続するには多くの人の協力が必要です。仮に1人で全部出来たとしても(非常に難しいことですが)、作品にお金を払ってくれる読者が必要です。
宮崎奈穂子さんの曲も、武道館コンサート以降は「チームで仕事をする」という内容が増えているように思います。小さなライブハウスでは1人で歌えるでしょうし、大きめのライブハウスでも小編成のバンドがあれば十分です。でも武道館くらいになると、大舞台に負けない演出も必要ですし、さまざまなスタッフも必要ですし、第一客席が100人程度では格好がつきません。
結果的に、路上シンガーのステージとしては素晴らしい演出で、6,000人の観客はみんなが満足して帰ったことだと思います。
ところで、「悩みのるつぼ」は、絶妙な回答が多い上、悩み相談の考え方まで書いてあっておすすめです。ぜひ読んでみてください。電子書籍版もあります。
悩みのるつぼ〜朝日新聞社の人生相談より〜
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