洋服屋さんの素敵な服を横目に通り過ぎ、パーティや女子会にも参加せず、友人の結婚にも気付かない。でも、今はお仕事をがんばるときなんです、という歌。
そういえば、今は秋の服は秋に売っていますが、昔は違いました。ひとつ先のシーズンの服しか店頭には並んでいませんでした。なぜ7月にバーゲンをするのか分からない人も多いでしょう。ボーナスが出るからではなく(もちろん、それもあるでしょうが)、秋物に入れ換える時期だったからです。
状況が変わったのは、渋谷109に代表される若者向けの店が増えてからです。店長に、客と同年代の女性を起き、慣例のとらわれない店舗運営を任せた結果「今着たい服を売る」という当たり前のことが実行されたそうです。
話によると、店舗の改装を頻繁に行うことで、目新しさを持続することも考えたそうです。改装中は閉店するので、その間、大きな利益を上げた店長はご褒美にハワイに連れて行ってもらえたとか。どこまで本当か分かりませんが、本当だとしたら店長たちもやる気を出したでしょうね。
若い店長たちは、ハワイ旅行を目標に、店舗のレイアウトから仕入れ、販売、販売員の指導まですべて自分で考えて実行したそうです。
実は、この施策、景気が悪くなって、店員の給与を下げるための苦肉の策だったという話も聞きました。店長と言っても、若い女性の給料は安く、大きなコストカットができたそうです。ただ、東急が外食チェーン店などと違うのは、安く雇った店長に権限を委譲し、責任を持ってもらう代わりに、成功したらインセンティブを与えたことです。
実際はどうだったのかは分かりませんが、結果的に109は大きな成功を収めました。そして、その成功は若い店長たちが「今はお仕事をがんばるときなんです」と頑張った結果です。あの「友達接客」を嫌う人も多いのですが、彼女たちなりに考えた結果なのでしょう。
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