尊敬できる仕事の先輩の話。
「私が身を置く業界で」とあるので、同じ会社ではないかもしれませんが、近いところにいるのでしょう。
「歌・こよみ365」は男性の歌が極端に少ないので、「同性から見ても」の歌詞から想像するに女性だと思われます。
自分が、仕事や生き方の目標とする人を「ロールモデル(role model)」と呼びます。1985年に女性雇用機会均等法がスタートしたものの、仕事をする女性のロールモデルが見つかりにくくなっていると言われていました。それが、近年、やっと改善されつつあるようです。
多くの人が誤解していますが、「結婚したら女性が家事・育児(再生産労働)を担当し、男性が賃金労働(生産労働)を担当する」というのは1970年代の高度成長期に生まれたモデルです。
ただし、1960年以前は、会社勤めの人が少なく、自営業が中心だったので現在の働く女性とはちょっとイメージが違うはずです。
古い統計結果はWebでは見つけにくいのですが、ぎりぎりありました。国土交通省の「国土交通白書2013」第1節働き方の変化 (3)女性緒就業状況の変化にある「図表58 年齢階級別女性の就業率の推移」です。1968年からのデータなので不十分ですが、参考にはなります。
グラフを見ると、年齢にかかわらず1968年から1975年頃までは就業率が下がりつづけています。1964年が東京オリンピック、1970年が大阪万博ですから、労働力は大量に必要だったはずなので、これはかなり不自然です。
いわゆる「高度成長期」は1955年から1973年とされていますが、この時期に女性の就業率が全年齢層で下がりつづけているのです。「経済状態が安定したから無理して女性が働かなくても良くなった」という見方もありますが、それでは高度成長期からバブル期までに女性の就業率が全年齢で上昇し続けていることが説明できません(オイルショック時期に一時的に上昇していますが一過性の現象です)。
女性の就業率が下がるのは1992年、つまりバブル景気崩壊以降ですが、25~34歳の年齢層では相変わらず就業率は上がりつづけています。35~39歳が横ばい、20~24歳の若年層が低下しており、全体で就業率が下がっています。要するに新卒での就職が難しいということなのでしょうか。オイルショックでは、景気が悪くなって就業率が一時的に上がっているのですが、バブル崩壊以降は逆に景気が悪くるとともに就業率も下がっています。
ただし、景気が悪くなっても、25歳から34歳という、現場の中心にいる年齢層の就業率が上がり続けていることは確かなようです。これから仕事をする人が容易にロールモデルを見つけられるようになったのではないでしょうか。
▲総務省「労働力調査」より国土交通省作成
国土交通省「国土交通白書2013」
図表58 年齢階級別女性の就業率の推移
0 件のコメント:
コメントを投稿