2014年12月4日木曜日

信じる(240/365)

初めて会った人に対して、とりあえず信じる人と、とりあえず疑う人がいます。どちらが悪いということではありません。

この曲は、まずは「人を信じる」と言っています。それは「出会った人みんなが教えてくれた」からだそうです。

「安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方」という書籍によると、「最初は信じる」方がだまされる率が低く、「最初は信じない」方が裏切られることが多いそうです。人を見る目があるから、初対面で信じるか信じないかを判別できるため、結果的にだまされないのかもしれません。

また同書によると、米国人に比べ、日本人には「とりあえず疑う」人が多いそうです。そういえば、日本人はSNSでの匿名率が他国よりもずっと高いのは、初めて出会った人を疑ってかかるからかもしれません。

日本人のモラルが高いのも、他人の目を気にするためであって、見つからないと分かっている場合はぐっと低下するそうです。

著者は、集団作業が重要な農耕が主体だったため同調圧力が強いと推測しています。また、人口の流動性が低かったため、長時間かけて信頼関係を築くことができたのだろうとも書いています。

そういえば、田舎に行くとよそ者はなかなか受け入れてくれませんし、海外旅行のパッケージツアーが始まった頃は、日本人のマナーの悪さが世界的に問題になっていました。「旅の恥はかきすて」という言葉すらあります。

海外のサッカースタジアムで、日本人のマナーの良さが話題になっていますが、これはニュースになることを見越しての行動かもしれません。その証拠に、サッカーのマナーがほめられた直後のハロウイーンは、渋谷の街がゴミであふれていました。

交通や通信が発達し、多くの人と会うようになると、昔のように長時間かけて相手の人となりを評価するわけにはいきません。そうすると、

難しいことは置いておいて
理屈や理論はいったん忘れて
とにもかくにも「人を信じる」ということを

心がけた方がいいのかもしれません。


安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書)

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