2015年1月18日日曜日

「夢」って持たなきゃだめですか? (284/365)

ここ十数年のトレンドに「自己実現」というのがあるそうです。多くの場合は「なりたい自分」「あるべき自分の姿」を意味します。『歌・こよみ365』にも「なりたい自分」という言葉が多く登場します。

あるべき姿と現実が、あまりにもかけ離れているのは、あまり良いこととは思いませんが、だからといって、すべての人が「なりたい自分」という目標を持つわけでもないし、「夢を持ちなさい」と強制されるものでもないでしょう。

案外多くの若者が「夢」を強制されて悩んでいるそうです。しかも、その「夢」を語ると「夢見てるんじゃない、現実を見ろ」と怒られてしまい、いったいどうすればいいのかさっぱり分かりません。

歌詞には

気付いたら PC(パソコン)の前「夢」って検索してた
疲れてるのかな いや、悩んでるのかな

とありますが、実際に「夢」と検索する人は結構多いそうです。もちろん答えはありません。そして、

「夢」って持たなきゃだめですか?
「夢」って決めなきゃだめですか?

と悩みます。

実は「夢」っていうのは、そんなに大きな目標ではなくて「やりたいこと」くらいの意味で考えればいいと思います。

歌詞では

私の心が喜ぶことや
時間を忘れてやっちゃうこと
そのタネにお水をかけながら
お日様にあたりながら
芽が出たらラッキーって
ゆっくり育てていけばいいんだ

とあります。

評論家の岡田斗司夫氏の著書に「プチクリ」という作品があります。「プリ・クリエイター」の意味で、生活の糧として制作をするプロと、趣味で制作するアマチュアの中間を想定しています。

「プチクリ」の帯には「好き=才能」とあります。絵を描く才能、文章を作る才能、いろいろな才能がありますが、一番大事な才能は「好きだ」という気持ちだという主張です。

技術は練習である程度カバーできますが、「好き」という気持ちだけは練習で身に付けることはできません。せいぜい、知らなかった世界を知って好きになるくらいです。

「夢」も、大きな目標を立てることだけではなく、「好き」という気持ちの延長で考えればいいのではないでしょうか。

具体的な目標があった方が実現の可能性は高くなりますが、「これは好き」「これは嫌い」というレベルでも、立派な「夢」だと思います。

なお、「プチクリ」については「「好き」って何だっけ?(186/365)」でも紹介しているので、あわせてお読みいただければ幸いです。


プチクリ!―好き=才能!電子版(書籍は品切れ中)

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