学生よりも、大人(社会人)の方が不自由だと思っている学生さんは結構多いんですが、とんでもない話です。社会人の方が学生時代よりもずっと楽しいし、ずっと自由です。
社会人の方が苦しくて不自由だと言う人は、病気自慢とか貧乏自慢と同じで、単に構って欲しいだけか、よっぽどひどい会社に勤めているかどちらかです。後者の場合は転職を考えた方がいいと思います。
具体的に書いていきましょう。
第1に、目標の対象が変わり、本質的に楽しくなります。
学生の本分は「勉強」で、それは自分のためにすることです。親や教師は「勉強しなさい」とうるさくいいますが、実際に勉強せずに困るのは本人であって親でも教師でもありません。自分のことでもないのに親身になってくれる人はほとんどいません。だからこそ、親や教師はありがたいものです。
一方社会人の本分「仕事」、つまり働くことです。「はたらく」とは「傍(はた)の人間をらくにすること」という語呂合わせがあるくらいです。
どうやら人間は、自分のためにすることとより、他人のためにすることの方が楽しく感じるようにできているようです。
今までで一番楽しかったことは何?
という質問をすると、相当数の人が誰かに喜んでもらえたことを挙げるのがその証拠です。「できないことができるようになった」という、自分の進歩も喜びではありますが、それよりも、進歩を喜んでくれる人の存在の方が嬉しいのではないでしょうか。
第2に、時間が自由になります。
会社や職種にもよりますが、法的には年間数十日の年次有給休暇を、理由を問わず取得できます。会社には「時季変更権」というものがあり、休暇の移動を命令することは可能ですが、「時季変更権」の行使は(法的には)厳しく制限されており、そう簡単に移動できるものではありません。アルバイトをする必要もないので、仕事が終われば自由時間です。
多くの仕事は、事前に分かっていれば予定を変更できます。友人に、いつも締め切りに遅れるライターがいました。彼は「私は締め切りに遅れたことはない」と豪語するので意味を尋ねたら「最初に決められた締め切りには間に合わないから遅らせてくれ」と必ず連絡するというのです。「それを『遅れる』と言う」と友人一同が一斉に突っ込みましたが、実際、ある程度の(限界はあります)遅れは許容できることが多いのです。
一方、学生の場合は、履修単位登録、期末試験、レポート提出、卒論提出など、決められた日時を過ぎたら受け付けてもらえないものが多々あります。
第3に、お金が自由になります。
何しろ働いた分だけ収入になるのですから、学生時代よりも自由になるお金はずっと増えます。これは学生時代の仕送り金額に依存するので必ずというわけではありませんが、学生時代よりも収入の減る人は少ないはずです。
第4に、行動が自由になります。
もちろんそれだけの責任は伴いますが、誰かの庇護下にあるわけではないので、すべてを自分で決められます。
このように、学生よりも社会人の方がはるかに自由で、しかも楽しいので、学生の皆さんは社会人になるのを楽しみにしていてください。
▲町田・デザイン専門学校「産学ネットワーク展」で講演する宮崎奈穂子さん
卒業イベントなので、学生向けのようですが、観客はいつものファンが相当数いました。
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